みぃねこの備忘録

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JPRiDE FREEDOMレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンではなく中価格帯で発売されたJPRiDE FREEDOMについてレビューをまとめたいと思います。

FREEDOMは国内amzonのJPRiDE(@JPRiDE_official)から購入しています。

 

 

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JPRiDE FREEDOMはJPRiDE社のプレミアムライン最新モデルで有線仕様です。同社は長らくワイヤレスイヤホンを中心に展開しており、そのワイヤレスモデルもU10000円の中でもコスパの良さで人気が高く、みぃねこもJPA2 mkIIを愛用していました。今は同社608を使用していますが、現在は販売終了となり後継の708に移行しています。尤も左右のイヤホンがケーブルで繋がっているネックバンドタイプのJPA2 mkIIと608はイヤホン左右がケーブルで繋がっていない左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンの台頭によりマーケット的に下火と云えそうです。勿論JPRiDE社もそのラインナップがありTWS-520が同社の真骨頂であるコスパの良さで人気があることから、ワイヤレスイヤホンメーカーという印象があります。

そんな中、同社HP上にある代表のメッセージを読むと、いよいよやりたかったことに挑戦する熱のこもった商品がこのプレミアムライン、FREEDOMと云えそうです。そのくらい力を入れた商品という事で期待値が上がりますよね。また、プレミアムラインのラインナップには実はもう一つあり、LIBERTYがあります。FREEDOMは1DDモデルですがLIBERTYは2BA+2DDの多ドラハイブリッドモデルとなり価格もかなり上がってしまいますが、実はこちらも同時購入しています(笑)。

とはいえ先ずは今回FREEDOMを取り上げてみましたが、反響があればLIBERTYもレビューしてみようと思います。

JPRiDE FREEDOMは販売価格が6,000円台と中価格帯U10Kの中でも競合モデルの多いプライスゾーンとなります。その中で1DDモデルのFREEDOMはどんな音を聴かせてくれるのか非常に楽しみです。

 

FREEDOMは先述の通りJPRiDEのプレミアムライン、そして有線モデルと同社の挑戦的な1DDモデルです。1DDモデルで何が挑戦的と思われる方もいらっしゃると思いますが、この搭載された1ドライバがベリリウム振動板を採用、同価格帯他社製品と差別化されています。ベリリウム振動板を採用しているイヤホンと云えばfinal A8000が記憶に新しいですが、流石に販売価格からあちらはピュア材でしょうけどこちらは、、という可能性があり真偽は不明です。それでも素材によって音の特性が変わることに着目し自分たちが造りたい音にするために素材を選定したとすれば、それはやはり同社代表のいう「本当にやりたいこと」を追求した結果なのかもしれませんね。個人的にすごく好きですね、そういうところ。

そんな訳でJPRiDE初のプレミアムライン、有線仕様のFREEDOMを1DDだしハズレは無いだろうし、同社の気合が入った商品だし、まあ買うしかないよね、と。

はい。いつものやつですよ。

これが沼の住民の思考ですよ。

というわけでベリリウム振動板採用の1DDモデルを手に入れましたので、これまでに評価の良かったMoondrop Spaceshipやfinal E1000との違いを交えながら、FREEDOMのレビューを纏めていきたいと思います。

 

FREEDOMのスペックですが先述の通りドライバ構成はシンプルでダイナミックドライバ1基のみ。この価格帯では珍しいケーブル交換が可能でイヤホンとケーブル接続にはmmcxコネクタが採用されています。加えて繰り返しになりますがダイナミックドライバの素材にはベリリウムが採用されています。また、イヤホン本体はアルミニウムの金属製で一般的な円筒型の造形をしているイヤホンです。

実際の商品を見るとシェル本体の金属切削加工は綺麗で国産低価格の樹脂シェルとは異なりクオリティの高さを感じられます。

そしてFREEDOMはこれまでにレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり、シンプルなシングルダイナミックドライバは複数ドライバ搭載の各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングの難しさはなく、どの音域に重点を置くのかがポイントになります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

FREEDOMの納期としては流石の国内amazonです。それもその筈、昨今の感染症の影響がでる前に購入しております。これがAliExpressならば早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。現在もあちらは輸送が麻痺している様子。普段ならチャイナポストが10日程度でスタンダードシッピングが二週間で届きますが、今はシンガポール経由のスタンダードシッピングは完全に止まっています。一方チャイナポストでは本国を出発してから一月程度消息を絶っています。

そんな訳で平時一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速FREEDOMの実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはJPRiDE社のオリジナルデザイン、黒を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。余談ですが同社ワイヤレスイヤホンのパッケージングはイヤホンケースに全て収納し、そのイヤホンケースが無地厚紙の箱に入った簡素なものでしたので、ずいぶん違うなぁと感じました。

 

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スリーブを外すと黒地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座の下に小箱あり、その小箱の中に付属品が入っています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種1セットとシリコンダブルフランジSとM(?)サイズが。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み。他には取付済みケーブルです。同社ワイヤレスイヤホンにはイヤホンケースが付属していますので中価格帯U10Kとしては少々物足りなさを感じるものの必要十分な付属品となります。


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ビルドクオリティですが、国内メーカー品と比較しても綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションは黒(ガンメタ?)の1種類のみ。


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付属ケーブルは茶色の編込みタイプでやや硬めの線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側はmmcx仕様です。この付属ケーブルは耳から下に垂らすストレート装着やシュア掛けのどちらでも対応できますし、シュア掛けした際に耳への装着性や使用感は悪くありません。線材がやや硬めですが全体的に絡まりにくくしなやかなで低中価格帯にありがちなタッチノイズは抑えられていますので付属ケーブルの中でも質感は高くそのまま使用できますし普段使いも可能だと思います。

  

※画像左上Spaceship、右上E1000、下FREEDOM f:id:miineco106:20200509211917j:image
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※画像左からFREEDOM、E1000
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※画像左からFREEDOM、Spaceship
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FREEDOMとSpaceship、E1000の外観の比較として、FREEDOMが一番大きく(長く)Spaceship一番小さい様子。特にFREEDOMはシェルの太さもありますがアルミ製シェルを採用していることもあり耳への装着時には殆ど重さも気になりません。唯一E1000のみが樹脂製シェルで一番軽量となります。また、FREEDOMのケーブルが編込みということもあり他よりも太めのため耳から下に垂らすストレートでの装着時には寧ろケーブルの重さを感じてしまいます。ステムノズルはFREEDOM、Spaceshipが太め。E1000がそれに比べるとやや細めですが、Spaceshipにはイヤピを外れにくくする返しがないので円筒型イヤホンは耳奥に栓をするように装着するのがベターなため、イヤピの外れやすさは少々難点ですね。

そのため個人的に3機種の中で一番装着感が良いのはE1000となり、次にSpaceshipとFREEDOMが並びます。

また、3機種共にステムノズルにはメッシュフィルターがあり好感ですが、ケーブルのタッチノイズは3機種共にあり、Spaceshipはそれを一番感じます。

なお、先述の通りFREEDOMはステムノズルは比較的太めですが、耳へは付属の黒イヤーピースで奥の方で栓をするように装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。低中価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じるので手持ちのイヤピと交換していますが、今回はその必要はありませんでした。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからもたとえ国内メーカーであっても低~中価格のイヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さ等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はFiiO X3 Mark III(以下X3III)、直挿しアンバランス接続です。

これまで低価格帯はShanling M0を基準としてレビューを行ってきました。今回は中価格U10KでありZX507の出番となるのですが、今回はX3IIIにて行います(深い意図はありません)。これまでにShanling M0とFiiO M5の比較や、M0とiPhone6sの比較を行っておりますが、尤もX3IIIはそれらとは、中高音域の解像感や低音域の表現力には差があります(販売価格が違いますから)し、今後はイヤホンとの相性やイヤホン本来の性能を発揮できるようにDAPを選択したうえで比較したいと考えましたのでご容赦ください。

 

低価格帯のイヤホンの場合でそれらの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

前回のKB04レビューの際にも簡単に触れましたが、以下再掲しておきます。

X3IIIとM0、M5の比較を一言で云うと、X3IIIとM5は同傾向のノリ良くリスニングに振っていて雰囲気の良い音。M0は明朗な音となりますが、X3IIIはM0よりも雰囲気があり分離良く解像感も備わった音となりますね。

FiiO X3 Mark IIIとShanling M0、FiiO M5の比較も機会があれば記事にしてみますので、気長にお待ちいただければ幸いです。

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属品 黒Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「バランスが破綻していない。高音にキレがあり余韻がある。低音も十分。全体的に華やかさがある」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)

ただし、箱だし低音は控えめで高音の主張が気になるものの刺さりは感じませんでしたが、今回も先に鳴らし込みを行っています。

 

鳴らし込み後は低音が締まり高音の華やかさが増した印象です

音場は普通で分離も普通。

高音は煌びやかさがあり響きもあるがしつこさはなく刺さりも感じない。

低音は量感は十分で響きは控えめ。その分締りがありキレも良好。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みの深さはそれ程感じないが十分な強さがある。

中音は多少音の重なりを感じるが解像感は悪くない。ボーカルはややドライだがクリアで自然な位置から聴かせてくれ、刺さりもない。

一言で云えばやや中高音寄りのドンシャリ

高音はしっかりと存在感を示す。十分な煌びやかさと華やかさがありながら尖りはなく小さな音もしっかり描写し余韻を感じられるが、天井はそれ程高くない。

中音はやや凹みを感じ音数が多い曲ではやや音が重なりますが、ボーカルはクリアで聴きやすく高音低音に埋もれる事はないバランスです。

低音は一聴するとその量感やベースラインの存在感により中低音重視の印象を受けますが、中高音、特に高音域が適度な響きがあり余韻を感じられ繊細さがあります。中音域はボーカルを邪魔せずに華やかさがあり、聴き込むと低音域が締りとキレの良い音で、中高音を支えている上質なバランスに気づかされ、重低音の必要十分な強さが音楽にアクセントをつけてくれます。

この上質なバランスはドンシャリでありながらも何処かの音域を極端に強調せずに聴かせてくれる心地良さがあります。

強いて云えば低音の音の強弱の表現が甘く感じる所と、ボーカルがドライ傾向な為、ガサつきを感じる所ですが、販売価格からは致し方が無く、それを言ったら酷というものですね。

そしてFREEDOMの真骨頂は何といってもキレの良さ。音の立ち上がりが良く必要なところは伸び、スッと消えるところは消える。これはこれまでレビューした中価格U10Kではなかなか出会えない音と云えます。やはり何処かを誇張しない聴きやすいドンシャリは心地よく音楽を楽しめますね。

FREEDOMは従来の低中価格帯でポピュラーなドンシャリ傾向であるものの、それらとは一味違う音であり、大袈裟に云えば同じ中価格帯A10KのTFZ KING(アップデートモデルの方)にも似た音と云えるかもしれません。

尤も流石にKINGとは一緒は云えませんし、比較的近い、実際に聴いてみれば特に低音域が異なるバランスとなりますのでFREEDOMは高音と中音が重視された良くまとまった音質傾向と云えそうですね。

個人的に欲を言えば中音の質感ですが、こちらは歌モノを聴く場合には少し物足りなく感じますが、これは好みがありますので、楽器メインで聴かれる方とは評価が分かれてしまうかもしれません。

 

次に比較対象としてSpaceship、E1000を挙げましたが、これらとも異なる音。それらはそれぞれに良さがある評価が高いイヤホンです。FREEDOMの元気の良さに対し、Spaceshipのすっきりクリアな優等生の音とE1000の響きのある雰囲気の良い音とは全くベクトルが異なります。

どれが優れているとか部分的な各論では当然出てきますが、それらは嗜好による評価であり明言はできません。個人的にはE1000が好きと云えますけど、そもそもSpaceshipもE1000もFREEDOMの半値です。この3機種はそれぞれに完成度の高さを感じられ、音楽を楽しく聴くという本来の目的を実現することができるイヤホンと云えますし、少なくてもFREEDOMはTFZ系の音が好きな方には好評となるのではないでしょうか。

 

 

まとめるとFREEDOMは高音域は煌びやかさ華やかさがあり存在感を示しますが尖りは無く、低音域の十分な存在感は決して出しゃばらず、中音域はドライ気味なボーカルの息遣いを感じられ、キレの良い音を届けてくれるリスニング用途の中価格イヤホンと云えそうです。

尤もこのリスニング用途としてのバランスの良さはこの価格帯のイヤホンにはもっと高音域の刺激的な強さや低音の量が多い強ドンシャリを求めるという方にはやはり少しもの足りないと感じ評価が分かれてしまいそうです。

 

高音   FREEDOM ≧ Spaceship ≧ E1000

中音   E1000 ≧ Spaceship ≧ FREEDOM

低音   FREEDOM ≧ Spaceship ≧ E1000

ボーカル E1000 ≧ FREEDOM ≧ Spaceship

 

最後に、今回は国内amazonでは6,000円台で購入できる中価格帯U10Kイヤホンの紹介となりました。現在(2020年5月9日)はamazonではJPRiDE専売であり、AliExpressの取り扱いはありません。そもそも日本メーカー(ブランド)として生業をしています。なお先日セールで4,000円後半の価格で販売していました。そのあたりの価格で購入できるのであればお勧めしやすくなりますね。そして今回はAliExpressでは取り扱いが無く、そもそもその場合に入手性に少々難がありますので…。とはいえ日本メーカーとしてこれまでの低中価格イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっていますので低中価格中華イヤホンも面白いのですが、日本メーカーの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonでの購入も検討してみてくださいね。

 

FREEDOM

以下、付属ケーブル、付属黒イヤピ M使用、DAP X3III
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (歌もの楽曲★3)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回はいつもの中華低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく国内1DDモデルの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンに負けずに頑張ってほしいですね。今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ