みぃねこの備忘録

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KZ ZSXレビュー ※CCA C12 KZ ZS10Pro 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの多ドラハイブリッドレビュー編として中価格帯で発売されているKZ ZSXについてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのHiFiHear(@Qianqian_HRcase)から購入しています。

 

 

AliExpressでもオフィシャルストアのKZ Global Store(@KEarphones)から購入できます。

 

ja.aliexpress.com

 

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KZ ZSXはKZ社のハイブリッドイヤホンの最新モデルです。同時期に発売されたCCA C12と同じ5BA+1DDのドライバ構成で何かと比較される兄弟機です。

ZSXの発表時にメーカーのキャッチコピーが「ターミネーター」と中華イヤホン開発競争に終わりを告げる使者として登場したこともありKZ ZSXの方が話題が多く、勿論購入者も多い様子で、兄弟機のCCA C12空気と化していました。(失礼)

このZSXはC12よりも少しだけ高めの販売価格が設定されていて国内amazonでは6,000円台でセールでも5,000円下ることはありませんがそのドライバ構成からは十分に安価な販売価格です。C12は国内amazonでセールの際に5,000円を下回ることがありますので中価格帯としてみれば最も安価となりますね。

以前のC12のレビュー記事に「ZSXとC12はドライバ構成やスペック、販売がKZとCCAという関係からもどちらかを購入すれば事が済む商品」としてこれまで購入を見送っていましたがC12とZSXの違いが気になってしまい、更にZSXとZS10Proとも傾向が違うという評判から、やはり自分の耳で確認したくなり今回遅れ馳せながらZSXを購入しています。さてさてどんな結果がでるのか。やっぱり買わなくてもよかったよねとなるのか。とても気になりますよね(笑)。

 

※CCA C12の過去記事もよろしければご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんな訳で話題の中価格帯の多ドラハイブリッドモデル、KZ ZSXを手に入れましたので、CCA C12とKZ ZS10Proとの違いを交えながら、KZ ZSXのレビューを纏めていきたいと思います。

 

さてZSXはC12やZS10Proと同様に樹脂製のシェルを採用しステムノズルとフェイスプレートが金属という構成です。C12やZS10Proではオーソドックスなデザインのフェイスプレートが採用されていますがZSXは特徴的(攻めた)なデザインを採用していて一目でZSXと分かりますし、この辺りはKZ社の真骨頂でしょうか。実は個人的にこのフェイスプレートのデザインがどうにも苦手でして、それだけでC12を選択したといっても過言ではなかったりします(汗)。

 

ZSXのスペックはC12同様に中価格帯でも珍しい5BA+1DDのハイブリッドです。同じ中価格帯ではもう少し上の価格となり先日レビューしたNICEHCK NX7が4BA+2DD+1CTと片側7ドライバのモデルがありますが、片側に5BAドライバを積んでも国内amazonで¥5K前後の価格で買えるのが本当に中華って恐ろしいですよね(C12と同様に天丼で褒めてます)。そしてC12同様に注目はダイナミックドライバに新型が採用されていて、実際C12で感じたこれまでのモデルとは違う中低音域に厚みがありました。そのためZSXでもC12同様にこれまでレビューした中価格中華多ドラハイブリッドイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

KZ ZSXの納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速KZ ZSXの実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはKZの豪華仕様で通常版の白箱とは異なり黒を基調としたシックなブックタイプの黒箱化粧箱です(以前にもAS10等の初期LOTで採用されており、今後は通常版の白箱に変更される可能性があります。このタイプの化粧箱が欲しい方は購入を急いだほうが良いかもしれませんね)。
箱の側面にはスペック等が記載されたラベルが貼付されています。

 


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蓋を開くと黒地の内装の台座にKZロゴのプレートが輝かしく装填され、豪華版の名に恥じない高級感を演出しているとともにイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座を取り外すと、ケーブル等の付属品が箱の底に入っています。この辺りは本当に豪華でCCA社の化粧箱が質素に見えてしまうのは人間の性でしょうね。

 

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付属品はC12同様にいつものKZに付属するシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セットとKZ ZSN等に付属したシリコンイヤピMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。A5K-U10Kの中価格帯としては少々さみしい付属品ですが、個人的にいつもの割切感は嫌いではないです。


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ビルドクオリティですが、KZ ZSXは中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。数年ほど前のKZの製品は当たり外れ感を楽しむくらいの気持ちで購入する心構えが必要でしたが、現在のKZやCCA等は安心して購入できますし中価格帯として安心の仕上がりですね。カラーバリエーションは黒色(FP銀色)と緑色(FPガンメタ)と紫色(FP銀色)の3種類あり、みぃねこはフェイスプレートのガンメタがカッコよかったので緑色(FPガンメタ)を選択しています。

 

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付属ケーブルは最近のKZのモデルと同様に茶色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はQDCタイプの2ピンでKZ極性仕様です(上がプラス)。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとしてそのまま使用できますし落ち着いた色合いのケーブルが本体色との一体感がありますね。

 

※画像左からZS10Pro、ZSX、C12、NX7 
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ZSXとC12とZS10Proに加えてNICEHCK NX7の外観の比較として、シェル本体の大きさはZSXが一番大きく、NX7が一番小さく、その他はほぼ同じです。ZSXだけ毛色が違うシェルを採用していてよりカスタムIEM風に近くなっています。更にZSXのデザイン上最大の特徴はフェイスプレートの形状が平面的ではなく丸みを帯びていて、耳への装着時に下側になる端面が長く伸びています。例えるなら昔の0系東海道新幹線の先頭車両と云えば伝わるでしょうか。ただし特徴的なデザインのフェイスプレートではありますがシェル自体はコンパクトで他の機種よりも厚みがあります。次にステムノズルはC12やZS10Pro同様に太めでステムノズルの角度はZS10Proとほぼ同じ。尤も装着感だけで云えば、ドライバを複数搭載している割に比較的コンパクトでシェルもカスタムIEM風が功を奏し、この4機種の中では個人的に一番装着感が良好でした(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

そしてZSXも他と同様にステムノズルが金属です。この4機種ともにメッシュフィルターが装備されています。

一方、シェル本体の形状からは4機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

先述の通りZSXはステムノズルは比較的太めのため、耳へは付属の本体装着済みイヤーピースでは少々抜け気味となるため、いつものAET07に交換しやや奥の方に蓋をするように装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますので手持ちのイヤピと交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAET07 Mサイズへ。イヤホンの本領を発揮させる為に付属ケーブルからYYX4732にリケーブルしています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「クリアな中音と高音低音は不自然に強調されずにバランスが良くボーカルが聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音にボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は音に広がりがあり空間が広く感じます。

分離は良好で解像感も良好ですが音数の多い曲では中音域にやや重なりを感じます。

低音の量感は十分で適度な広がりがあり、締まりとキレは良好。

重低音は沈み込みが十分で力強さがあり、ベースラインは追いやすい。

高音は煌びやかさが十分で華やかさがありながら刺さりを感じずクリアに聴こえますが伸びは普通です。

中音はクリアで見通しが良くボーカルの周りで華やかさがあり存在感は十分。

ボーカルは自然な位置にあり、中音に埋もれず聴きやすい。

一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリ

ほぼC12と同じ印象です。ですが、ZSXとC12には違いがあり特徴は音場の広さと中/低音域です。

音場は中/高音域の音の広がりを感じられ、例えるならC12のライブハウスとZSXの小ホールという違いがあります。その分中音域では特にボーカルの聴こえ方、感じ方に違いがでています。ZSXのボーカルは空間の広さも相まって自然な位置にありその少し離れた場所で演奏されているように感じられますが、C12ではボーカルがやや近くにいてその近くで演奏されているような感じです。これについてはどちらが優れているという訳ではなく嗜好の問題と云えそうです。

次に低音域はC12同様にBAの低音とは違うDDの深く強い、そしてキレのある音を楽しめます。低音の比較ではC12の方が強く感じますが、ZSXが弱いわけではなく音場の広さを感じる音の広がりが増している為に相対的に弱く感じられ、同じように高音域は音場の広さからC12よりもマイルドに感じられます。

また、ZS10Proとの違いは中音域のクリアさです。ZSXでは4BAによるなめらかな中音域とボーカルの聴きやすさがあり、ZS10Proの弱点である中音域の粗さを改善したモデルという認識に間違いはなさそうです。例えるならオーソドックスなノリの良い弱ドンシャリのZS10Proに対し、同じ弱ドンシャリでも中音域にフォーカスを当てフラット寄りに調整されたZSXでは厳密には音質傾向が異なると云えそうですね。

C12では中音域のクリアさとボーカルにフォーカスされた音質傾向でしたが、ZSXではKZらしく進化したドンシャリが心地良く音楽を楽しめる音になっていると感じます。

そしてZS10Proでは音場の広さと弱ドンシャリにより楽しくリスニングできる音質傾向でしたが、ZSXでは真にZS10Proの中音域を改善した正統進化版と云えるのではないでしょうか。

 

まとめとして、ZSXはKZのハイブリッドモデルにおけるフラッグシップの名に恥じないモデルと云える仕上がりです。できることならこの価格帯に初めて挑戦する方には遠回りせずこれを購入しておけば間違いないと思います。一方、C12はボーカルにフォーカスされたリスニング用途にお勧めですしみぃねこはZSXを聴いた今もC12の方が好みですし、ZS10ProはZSXには予算が届かないけどKZの「良い音」を感じてみたい方向けとなりますが、先述の通り後悔しないためにはZSXの方を強くお勧めします。

尤もZSXとC12のリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域の刺激的な強さや低音の量が多い強ドンシャリを求めるという方には物足りないと感じ評価が分かれてしまうかも知れません。

そして今回は比較対象として兄弟機のCCA C12とKZ ZS10Proを選びましたが、これらはそれぞれに良さがある評価が高いイヤホンです。また、今回NICEHCK NX7は片側7ドライバと更に搭載ドライバが多く、2DDに加え1CTと超高音域と低音域を強化したモデルと云えますが、中高音寄りのため少し毛色が異なり直接比較対象とはしていませんが、単純にみればワンランク上が当たり前と思われるかもしれません。しかし後継モデルや改良Verが常に最良とならないのも事実です。以前のレビューでも触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

 

※NICEHCK NX7の過去記事もよろしければご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

高音   C12 ≧ ZSX ≧ ZS10Pro

中音   C12 ≧ ZSX ≧ ZS10Pro

低音   C12 ≧ ZSX ≧ ZS10Pro

ボーカル C12 ≧ ZSX ≧ ZS10Pro

音場   ZSX ≧ ZS10Pro ≧ C12

 

最後に、今回は国内amazonのセールなどで実売5,000円前後で購入できる中価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年10月13日)もamazonで取り扱いがありますし、AliExpressではフォロワー割で4,000円台前半とお求め易い価格ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。新商品を少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

ZSX

以下、ケーブルYYX4732、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (KZハイブリ旗艦モデルを試したい方)

※☆0.51.0

 

C12

以下、ケーブルYYX4761、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (C10が好きだけど少し物足りない方)

※☆0.51.0

 

ZS10Pro

以下、ケーブルYYX4733、イヤピ丸七長楽青 M使用、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (KZの「良い音」を安価に試したい方)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は5BA+1DD中価格中華イヤホンの新商品のレビューを兄弟機との比較を含めてまとめてみました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ