みぃねこの備忘録

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Yinyoo D2B4レビュー

こんにちは。

今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンではなく、多ドラ中華イヤホンレビュー編として先日発売されたYinyoo D2B4についてレビューをまとめたいと思います。
今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもWTSUN Audio(@Zhuo520X)で取り扱いが始まっています。(2019年2月15日現在)

 

 

納期はAliExpressにもかかわらずセラー各社の春節休暇に入る直前のためオーダーした翌日には輸送会社に引き渡しが行われ8日程度で届きましたが、通常は14~21日程度は掛かりますので今回は本当に早かったですね。在庫があって休み前だったというのがポイントだったのでしょう(いつもこうならもっと使いやすいんですけどね)。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での取り扱いを待って購入をお勧めします。

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Yinyoo D2B4はセラーオリジナルブランドの新製品です。しかし新発売として大々的に売り出されたのではなく中国の新年、所謂春節の福袋として金属製4BA+2DDイヤホンとだけ発表され2日間の100個限定の特価販売を経て現在通常価格で販売中です。

この福袋という販売に多くの方が様子見としたらしくみぃねこがオーダーした際には僅か3人、、、つまり3人目。その日は十数人のオーダーに留まっており、これはまたやってしまったかと多少の後悔をし始めたころなかなか伸びないオーダーにセラーが福袋の中身を公開するという荒業に至ります。そのお陰で中身を確認することができたので音はともかくデザインは良さそうで少しだけ安心したというヘタレっぷりです。

福袋のD2B4ですが中身が公開されるまでtwiter上では様々な憶測が流れBGVP DMGそのものやHCK M6のようにBGVP DMGのコピー品だのオマージュだのとありましたが実際にはデザインも異なり、KnowlesのBAドライバを使用(まあ流石にBAの全てがKnowlesを使用してはいないと思いますが)しているとのセラー情報があるなどドライバ構成が同じで価格帯もほぼ同じ他社商品に対抗した完全なセラーオリジナルとして無事デビューを果たしています。

D2B4はドライバ構成が4BA+2DDと前回レビューした4BA+1DDのCCA C10やKZ ZS7にDDを一つ追加した構成のイヤホンとも云えますが、BQEYZ BQ3の3BA+2DDドライバ構成にBAを一つ追加しているとも云えそれぞれのイヤホンとの音質面での違いが気になるところです。幸い(何が?)みぃねこはM6とBQ3も所有していますのでそれらとの比較も加えてみたいと思います。

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それでは、早速Yinyoo D2B4のレビューを以下、まとめていきます。

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パッケージングはセラーオリジナルイヤホンで採用されている化粧箱で青箱に銀色のメーカーロゴがあり低価格帯とは異なり高級感がある最新のタイプとなっています。

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上蓋を開けるとイヤホンケースが入っていてそのケースにもメーカーロゴが入っているタイプです。このタイプのケースはイヤホンの持ち運びに便利ですし大きさも丁度良くて嬉しいですよね。

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ケースを開けるとイヤホン本体、本体取付け済みのケーブル。本体取付け済みイヤーピース及び、交換用のイヤーピースが複数入っています。

 

さて同社のセラーオリジナルイヤホンは昨年秋に発売したYinyoo V2という米国製ドライバを採用した1DDモデルがあります。発売時はTIN Audio T2を意識して開発されたようでしたが、こちらは米国製ドライバの性質なのか非常に特徴的な音質で1DDなのに高音中音低音が独立された複数ドライバのような分離感が印象的なイヤホンでT2と比較さえしなければ面白いイヤホンでした。それ故に今回のD2B4は他社のM6を意識した製品としての位置づけは明らかなのに全く煽りがないのが逆に自信の現れだったのかもしれませんね。

D2B4はDMGやM6の4BA+2DDというドライバ構成と同じ(採用されたドライバ毎の型番が同一かどうかは不明ですのであくまでも構成のみです)でDMGやM6はステムのノズル交換によって中高音域を調整できる仕様でしたが、D2B4ではそのギミックはありません。つまりD2B4ではユーザーが好みの音質に調整するのではなく固定された音質チューニングでありDMGやM6を超える音質を聴かせてくれるのか非常に心配、、もとい。楽しみですよね。

 

スペックからは15,000円前後の中価格中華イヤホンでは複数BA構成を採用したTENHZ P4Proの4BAや最近ではCCA C16の8BA等。4BA+2DDのハイブリッドでは先述のDMGやM6がある価格帯で既に評価が高い機種が多く存在しその選択肢が多くあります。この価格帯は特にドライバ構成に訴えるマーケティングではなく音質面のチューニングがしっかりと仕上げられたものが多い激戦区とも云えます。そんな激戦区に敢えてユーザーの好みに調整できるギミックを捨て自社のチューニングを信じ真っ向から挑んできた真っ当な製品とも考えられます。つまりD2B4はドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて低価格帯で多く採用されている1BA+1DDの構成よりも中音域に厚みを持たせやすくなりとともに高音では複数BAによる響きを。低音では複数DDによるより深い低音を表現しやすくなります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンよりも中音域のチューニングと高音低音のチューニングががポイントになり、前回レビューしたAS10やC10、ZS7以上に多ドラの複数BAやハイブリッドで重要な高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバー及び高音の響きや低音の深さ等のチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第で敢えてノズル交換によるユーザーの調整ギミックを捨てたYinyoo D2B4が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。f:id:miineco106:20190217164543j:image
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ビルドクオリティですが、このYinyoo D2B4は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。

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フェイスプレートは鏡面のように映り込みがある程の美しさがありシェルとフェイスプレートのエッジ部のシルバーのラインは秀逸です。寧ろ上の高価格帯と比較しても負けてはいないと感じますので安心して購入できるのではないでしょうか。今回福袋としての販売ということもありカラー選択ができずみぃねこに届いたのは黒色でしたが、現在は青色も選択できるようです。欲を言えば青が欲しかったなぁと最初は思いましたが、D2B4の仕上がりの美しさに黒も良いかもとと思っています。これに最近発売された同社のピンク16芯yyx4820を組み合わせると見た目が良いのではと考えていてイヤホンにファッション性を求める方にも好評となるのではないでしょうか。またD2B4はシュア掛け前提となりますがシェルの形状が良く耳への装着性は個人的にM6よりも良いと感じました。f:id:miineco106:20190217164920j:image
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シェル本体はDMGとM6はほぼ同じ形状のようでしたがD2B4はそれとは異なり寧ろCCA C10(TFZ KING Proにも近い)に近く4BA+2DDが入っているとは思えないほどコンパクトで背面もデザインが大人しいため万人受けしやすいのも好感が持てます。

そして他の多ドライヤホンと比較するとKZ AS10やCCA C16より小さくCCA C10がほぼ一緒かやや小さい印象でそれぞれの重さはC16より軽くAS10やC10より重いです。

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またステムは比較的太いため耳への装着感はみぃねこは付属イヤーピースMサイズが大きさは丁度良くしっかりと装着できました。

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付属品はイヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各2セット、ケーブル、イヤホンケースです。
みぃねこは付属品イヤーピースのMサイズ(本体装着済)を使用して耳へのフィット感は十分でしたが低音域をもう少し強くしたいと感じたためAET07へ変更してみたところ相性が良かったです。これはD2B4の低音域が高音域や中音域と比べ比較的大人しく感じる傾向があり2DDの本来の実力を発揮していない(もっと出来る子)と感じたためです。

このように低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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付属ケーブルはシュア掛け前提で耳掛け部にワイヤー入りとなりますが、これまでにないタイプのケーブルでイヤホン側LRが単線で途中結合してツイストせずにそのまま複線状にくっついてプレイヤー側コネクタに繋がります(裂ける長いグミを想像してください)。また被覆の材質のゴム質が強めのため絡まりやすく個人的に使用感はイマイチ良くありませんでしたのでリケーブルをお勧めします。個人的に中価格帯の付属ケーブルとしてはもう少し質の良いケーブルを付属してほしかったなと残念に感じました。なお、みぃねこは最初からリケーブルし先ずは同社のyyx4778を試しましたがもう少し全体のバランスを整えたいと感じ最終的にyyx4807にリケーブルしています。

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境も前回のC10、ZS7同様に相応のDAPということでiBasso DX150、直挿しですが異なるのはバランス接続としています。

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それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
イヤピは先述の通りAET07に交換しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音域の質感が良く、なにより高中低音域のバランスが良い」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
音場は普通からやや広めで音の分離感は良好です。
ボーカルは近くも遠くもなく普通ですがブレスを感じやすく、この辺りは低価格の中音域とは表現力の質が違います。
低音は量感が十分で締りがありキレもありますが沈み込みは普通に感じ、ベースラインもしっかりと追えます。
高音はキラキラ感があり刺さりは感じませんが低音に埋もれることはありません。傾向として中低音域寄りと感じますが高音の小さな音もしっかりと聴こえますのでボーカルをクリアに埋もれさせないように上手くバランスを取ろうとしていることが窺えます。これはM6でも十分に中音域がすっきりとしていながらも高音低音がしっかり存在感を示す聴きやすいバランスの良い音質でしたが、高音低音の主張が強い曲や女性ボーカルの曲ではボーカルの遠さや中音域の凹みを感じたりもう少し主張というか前にでてほしいと感じたのとは対照的です。

このD2B4ではM6で感じた不満点が改善されています。

聴き比べると明らかに中音域の質感が向上していて、M6のクリアですっきりとD2B4のクリアですっきりではその質が違います。音の自然なつながりやなめらかさが向上し艶が感じられます。
一言で云えばHCK M6は高音低音の表現を豊かにしたややドンシャリとなるのですが、Yinyoo D2B4では高音低音の主張をやや控えめにすることで相対的に中音域の質感を向上させ、特にボーカルをクリアでなめらかに聴くことができる上手いチューニングをしていると感じました。

D2B4に近い音作りとしてBQEYZ BQ3が手持ちでは最も近くBQ3の高音域と中音域の間にある僅かな凹みを改善し中高音域の小さな音も聴こえやすくすることで中高音域の音のなめらかさを出しているように感じます。そのためD2B4はBQ3からのアップグレードと考える方がしっくりくるのかもしれません。

また、M6は標準ノズルの場合でもD2B4に比べ高音域の主張がやや強く感じますがこれらはM6付属のノズルを高音強調用に交換することでもっと派手な音に変化させることができます。そして低音強調用に交換することで元々低音が強めのM6がより中音の濃度が増しますが反面粗さが見えてきて低音がより強くした印象に変化させることができます。その場合でもボーカルについては先述の印象の通りとなりますので、この辺りがD2B4とM6の違いといえると思います。

ですが、この違いは最早嗜好の違いともいえるレベルと云えますので、D2B4はM6好きの方からは評価が分かれることになりそうです。

そして、箱出しインプレッションの後、エージングとして鳴らしこみを実施し、再度聴きこんでみました。
結果、箱出しの傾向はそのままに曲によって僅かに感じた中音域のこもりが鳴りを潜め、低音の量感が増し、高音の伸びも少し増したように感じますが大きな変化は無く、中音域のクリアですっきりしたなめらかさが損なわれずに高中低音域をバランス良く聴かせてくれるイヤホンと感じました。
ではYinyoo D2B4は当たりなの?外れなの?と問われたら「中低音寄りのややドンシャリで解像度が高くクリアですっきりとした中音域とボーカルの聴きやすいイヤホン」なので「一軍でオールマイティに使えるイヤホン」というのが個人的な評価です(相変わらず答えになってない)。それは単純にHCK M6と良し悪しを決めるのではなくそれぞれの特徴を生かした采配があって然るべきという考えに至っているからです。


さてYinyoo D2B4はこれまでのU10000以下中価格中華イヤホンの2BA+2DD構成の強ドンシャリとは違い「あのイヤホンとは違う」バランスの良い表現力を持ったイヤホンとまとめました。

手持ちでは年末にポチったイヤホン等があり折角なのでこれらのイヤホン等も1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますので、気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は15,000円前後で買える中価格中華多ドライヤホンの紹介となりました。現在amazonでも取り扱いが始まりクーポンやセール等で15,000円以下で購入できるようです。一方AliExpressでは10,000円弱で購入できそうですが入手性に少々難があります。そしてこれまで紹介した低価格中華イヤホンよりかなり価格が上となりますが、そのクオリティは十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップを考えていて中価格でも少し良いものをと検討されていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

以下、DX150バランス接続、yyx4807リケーブル、AET07イヤピM使用
高音★★★★☆ 
中音★★★★★ 
低音★★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (ドンシャリ好きはM6が★5です)

※☆0.5、★1.0


あとがきとして、今回も1BA+1DD低価格中華イヤホンではなく片側6ドライバ、4BA+2DD中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンのレビューに挑戦してみました。前回同様に2019年の新しいチャレンジとして取り組んでいきたいと考えています。

今後も気になる商品や1BA+1DD中華イヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ