みぃねこの備忘録

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KZ ZSNレビュー

こんにちは。
今回も1BA+1DDイヤホンレビュー編第二章、6回目として先日発売されたKZ ZSNについてレビューをまとめたいと思います。
今回はAliExpressのKZ Global Storeから購入しています。
現在は(2018年11月4日)amazonでもおなじみのWTSUN Audio(Easy earphones)等でも取り扱いが始まっているようです。

 

ja.aliexpress.com

 

  

KZ ZSNは中華イヤホンメーカーKZの新製品で先月の10月上旬にオーダーしています。この時KZ Global Store(@KEarphones)のTwitterにツイートされていましたが、みぃねこがオーダーした紫カラーのみ少し遅れて発送となっていて、なんとか10月末に届いています。そのためTwitterではそれよりも少し早く到着報告が挙がっていて、結構良さそうな評判を羨ましくもこのZSNの音質がどうなのか楽しみで仕方がありませんでした。

それでは、早速KZ ZSNのレビューを以下、まとめていきます。
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パッケージングは白箱を基調としたシンプルなもの。
表はイヤホンのイラストが、裏にはスペックが記載され、いつものKZのパッケージングです。
スペックはもちろん3,000円以下の低価格中華イヤホンのスタンダード、1BA+1DDのハイブリッドです。もちろんBAが高音域を、DDが中低音域を主に担当していてそれぞれの強さを併せ持ちます。多ドラやハイブリッドで重要なのは高音域と低音域のクロスオーバーがチューニングの技術の見せどころでもあり、難しさでもあります。このチューニング次第でKZ ZSNが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。
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ビルドクオリティですが、このKZ ZSNはKZ ZSTで感じたような各所の仕上りに雑なところを感じません。イヤホン背面の金属プレートのデザインには皆さん賛否あると思いますが、みぃねこは嫌いではないですね。なんとなく某アニメの初号機にも似ていますが、実は某イヤホンの(相変わらず)オマージュのようですね。そういう意味ではKZのオリジナルデザインだったBAが10基(方側5基)のイヤホンが(装着性も含め)微妙な評価だったことが記憶に新しく皮肉なものだなぁと思います。
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本体はZSTとほぼ同じ大きさでES4よりやや小さくRevoNext RX8よりやや大きいですが、重さはほぼ一緒です。あらためて画像で比較するとZSTと形状が似ていてその背面が樹脂で丸みを帯びているかフラットな金属プレートになっているかと、ステムが樹脂か金属かが大きな違いですね。この本体のすべてが樹脂のZSTと樹脂と金属のZSNの音質がどのような違いになっているのか。寧ろどのような進化しているのか非常に楽しみです。

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付属品はイヤーピースが本体装着済みの新型(?汎用?)シリコンM(恐らく)が1セット、いつものKZシリコンS、M、Lの3種、ケーブルです。みぃねこは付属品イヤーピースのいつものKZイヤピではないタイプを使用して耳へのフィット感が十分でした。この辺りは個人差やステムの角度等も関係していると思います。

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付属ケーブルは薄い茶色(銅線色)被膜の編込みタイプでシュア掛け用にチューブで癖付けがあり全体的にしなやかな4芯銅線タイプです。ZST等のゴムゴムとは大違いで、ZSA等の茶色の編込み線とも異なります。

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更に今回ZSN付属ケーブルではイヤホン側2ピンコネクタの形状が新しくなり、この付属ケーブルを他のKZイヤホンへ流用ができない様子。タッチノイズも少なく取り回しが良好ですのでこのまま使用することが可能ですし、他のKZへ流用できなくなったのは少し残念です。

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そして今回は購入セラーから初回購入限定のサービスとしてZSN用純正オプションの4芯銀メッキケーブルが付いてきましたので、こちらとの音質傾向の比較も行いたいと思います。


それでは実際に聴いてみます。
再生環境はiPhoneSE、直挿し。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Cryingです。
先ずは付属ケーブルを使用して箱出しで聴いてみた第一印象は「低音に締りがあって全体のバランスが良いな」でした。先着陣のツイート通りの印象で、高中低どこかを強調するこれまでのKZの音ではないです。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
音場はやや広めから広く(特に横に)音の分離感も良好です。
ボーカルは普通からやや近め、曲によって近く感じ曲によってベースラインに少し影響を受けているような不自然な響きを感じる場合があります。
低音は量感も十分で締りがありますが沈み込みは浅めに感じます。
高音もキラキラ感がありますが刺さりは感じませんし低音にも負けているわけではありません。強いて言えば中低域寄りの傾向と云えます。
次に純正オプションケーブルの銀メッキリケーブルに変更します。
すると先ほどまでの付属の銅線4芯ケーブルを使っていた時と異なり中高域寄りの傾向を感じます。

音場はやや広くなり分離感は変わりませんが、ボーカルが少しすっきりした印象で付属ケーブルで感じたベースラインの影響も感じません。
低音は量感は変わらずほんの少し締りが増した印象があり沈み込みは浅めのままですが少しすっきりと感じます。
高音はキラキラ感が増し伸びを感じましたが刺さりは感じませんし低音にも負けません。

この様にZSNは付属銅線ケーブルから純正オプション銀メッキケーブルへのリケーブルによって強いて言えば中低域寄りから中高域寄りの傾向の変化を感じることができましたが、元々の素性が高中低音域のどこかを強調せずに全域をバランス良くまとめているため、ケーブルの特性がそのまま傾向として現れたように感じます。これまで低価格イヤホンではリケーブルを積極的にしないようにして純正のままそれぞれの音質を楽しんできたみぃねこにとってとても興味深い結果となりました。
そして具体的に例えるなら、付属ケーブルではこれまでレビューしたZSAの低音のキレとES4のボーカルや中音域の良いとこ取り。強いて言えばRevoNext RX8のすっきりとした全域の表現を濃くした感じでしょうか。一方純正オプションケーブルはZSAの物足りなかったところを全域でブラッシュアップさせた様な感じです。
簡潔にまとめるとKZ ZSNは高中低音域のどこかを強調せす全域をバランスよくまとまった音といえる仕上がりで、これまでのKZの音とは一線を画する仕上がりでドンシャリ好きのKZファンとの評価が分かれることになりそうです。
そして、箱出しインプレッションの後、エージングとして鳴らしこみを実施し、再度聴きこんでみました。
結果、それぞれのケーブルを使用した傾向はそのままに付属ケーブルでは低音の締りが増し、純正オプションケーブルでは高音の伸びを感じ、ますますZSNの完成度の高さを感じさせられました。
ではKZ ZSNは当たりなの?外れなの?と問われたら、「当たり」なので「一軍で付属ケーブルで愛用するつもり」というのが個人的な評価です。それは付属ケーブルがZSNの特徴を表現するのに適していてメーカーのその意図を感じたからです。まあ、個人的に一番好きなバランスだったというのが本音かもしれません。そしてこのKZ ZSNは8芯銀メッキ銅ミックス線へのリケーブルが最もバランスの良い選択となりそうな気がしていますので、yyx4775やkbf4773を今度試してみようと思います。
なお、付属ケーブルを好む理由としてはこれまでのレビュー同様に「松岡充/SURPRISE-DRIVE」を試した際にバスドラムのアタック音のキレはやや付属ケーブルの方が良好と感じました。総合的に判断といいつつも結局は個人の嗜好となりますよね。
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さて、KZ ZSNはこれまでのKZの音ではない「あのイヤホンとは違う」バランスの良い表現力のイヤホンであり、ドンシャリが兎に角好きという方は安定のKZ ZS4を。過度なドンシャリはちょっとという方に付属品も豪華なYinyoo Proを。両者は同じ傾向を持つイヤホンですが、それぞれの特徴は過去のレビューからも魅力的となると思います。
また、どんな曲にも相性が良いバランスの良いイヤホンや、ボーカルを中心に聴きたい方には、これまでRevoNext RX8やKZ ES4をお勧めしていました。ですが、初めてKZのイヤホンを検討、購入される方を含めバランスの良いイヤホンは今回からはこのKZ ZSNをお勧めしたいと思います。
まとめとして、3,000円以下で買える中華イヤホンの中で、現在はamazonで2,000円半ばで購入できますので、バランスの良い音がするイヤホンが欲しい方には、そのコスパの高さが非常に魅力的な選択肢となると思います。気になる方はぜひ検討してみてくださいね。

 

以下、付属4芯銅線ケーブル(純正オプション4芯銀メッキケーブル)
高音★★★☆(★4)
中音★★★★(★3.5)
低音★★★★(★3.5)
音場★★★☆(★4)
分離★★★
お勧め度★★★★(ケーブル単体★3)

※☆0.5、★1.0


あとがきとして、これで16個目の1BA+1DD中華イヤホンをレビューを終えました。流石に発売の古い商品はもう無いかなという気持ちと、そろそろ次のステップに向かって行きたい気持ちもありますので、少し休憩かなと考えています。ですが、今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ