みぃねこの備忘録

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NICEHCK Broレビュー

こんにちは。

前回更新から少し間が空きましたが今回も1BA+1DDイヤホンレビュー編、第二章の3回目です。

少し前にYinyoo Proをレビューしましたが、イヤーピースによる音質傾向の変化で思っていたより楽しめたこともあり、今回はそのそっくりさん(先に発売されていますので寧ろ兄ともいえる)NICEHCK Broをレビューしたいと思います。

Yinyoo Proを入手し直ぐに購入していましたが、なんやかんやでやっとまとめられる時間を作れたところです。

今回はもちろんamazonのNICEHCKから購入しています。

 


NICEHCK Broは中華イヤホンセラーNiceHCKが手掛けるイヤホンの一つです。少し前に同じ中華イヤホンセラーWTSUN AudioのYinyoo Proというそっくりなイヤホンのレビューをしていることを冒頭で触れていますが、今回入手し改めて造形を比較してみると本当に見た目そのまま同じです。(前回同様にこれら2つのイヤホンの生い立ちはネットの情報に任せ割愛しますね。)

NICEHCK Broの本体もYinyoo ProやKZ ZST同様に樹脂シェルタイプで、高音域BAと低音域DDドライバを結線し間に抵抗を通す等のクロスオーバーをチューニングしているところも同様ですが、ZST等のKZイヤホンと決定的に違うのはケーブルコネクタが所謂低価格イヤホンで採用されている2ピンではなく、中価格イヤホンで多く採用されているmmcxタイプとなっていてYinyoo Proと同様になります。NICEHCK BroもYinyoo Proもmmcxコネクタを採用しているところが「KZとは違う」というメーカーの姿勢というか「こだわり」を感じます。
また、Yinyoo Proのレビューで触れたYinyoo ProとNICEHCK Broの音質傾向の違いを実際に聴き比べることが今回の重要なテーマでもあります。

尤もみぃねこが最初に購入したのはYinyoo Proで、当初購入する予定が無かったのがNICEHCK Broでした。この選択はネットの評判が「派手なBro」と「まとまったPro」であり、Yinyoo Proの方が好みに合いそうだというのが理由でしたが、思いのほかYinyoo Proが面白かったので、NICEHCK Broとの比較は必要と判断したためです。

だって、皆さんも気になりませんか?みぃねこは気になって直ぐ手配しましたからねw

(あ~誰ですか、それが沼って言った方~。聞こえてますよ。)
それでは、前置きが長くなりましたが、実際のNICEHCK Broのレビューを以下、まとめていきます。
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パッケージングは白箱を基調とし中身が見えるシンプルなもの。
表は音符のイラストが白でプリントされていて中身のイヤホンが見えます。箱の側面には簡単なスペックと、裏面にはセラーのツイッターアカウントやフェイスブックアカウント。更にはサポートメールアドレス等の情報が記載されています。
スペックは3,000円以下の低価格中華イヤホンのスタンダード、1BA+1DDのハイブリッドです。もちろんBAが高音域を、DDが中低音域を主に担当していてそれぞれの強さを併せ持ちます。多ドラやハイブリッドで重要なのは高音域と低音域の重なる中音域を凹ます事無く上手にクロスオーバーさせるチューニングがメーカーの技術の見せどころでもあり、難しさでもあります。このチューニング次第でNICEHCK Broが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえYinyoo Proと音質傾向がどのように違うのか気になるところです。
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ビルドクオリティですが、このNICEHCK BroはYinyoo Pro同様に他の低価格中華イヤホンで感じたような各所の仕上りに雑なところを感じません。シェル表面にはラメ処理されていて、キラキラ好きにはこのデザインはハマるかもしれませんよね。そして、こちらもイヤホン背面はチェック柄です。これは皆さん賛否あると思いますが、みぃねこは嫌いではないですが国産メーカーでは恐らく選択しないデザインと思います。国産メーカーはどちらかと云えばポップなカラーを売りにしてますからね。

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本体の大きさですがNICEHCK BroはYinyoo Proとそっくりですので、ZSTよりやや小さく、重さはほぼ一緒です。

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付属品はイヤーピースがウレタン1セット、本体取付済みのシリコン赤軸Mサイズ1セット、同シリコンの黒軸と黄軸のそれぞれS、M、Lの3種2セットとイヤーケーブルフック、ケーブル、ケーブルストッパとこの価格帯ではかなり豊富です(Yinyoo Proよりもシリコン赤軸Mサイズ1セットが多い)。イヤーピースはYinyoo Pro同様にシリコンの黒軸、黄軸で音質の違いがあるのかも楽しみです。みぃねこは付属品イヤーピースの黒軸をいつもより大きいLサイズを使用して耳へのフィット感が十分でした。この辺りは個人差やステムの角度等も関係していると思います。

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付属ケーブルもYinyoo Pro同様にシュア掛け用の癖付け等無くストレートでも使用可能ですが、シェル形状からするとシュア掛け前提といえ、全体的に細くしなやかなタイプでYinyoo Proと同じもののようです。もちろんZST等のゴムゴムとは大違いで、タッチノイズも少なく取り回しは良好ですのでこのまま使用することが可能です。またamazonではmmcxタイプのリケーブルは豊富にありますので、実際に使用してみて付属品ケーブルに不満を覚える方はyinyoo、NICEHCK、kinboofi等から発売されている1,800円程度で購入できるもう少し上のクラスにリケーブルするのも良いと思います。

 

それでは実際に聴いてみます。
再生環境はiPhoneSE、直挿し。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Cryingです。
先ずイヤーピースは黒軸を使用して箱出しで聴いてみた第一印象は「メリハリが強くて派手だな」でした。こちらはネットの評判通りで分かりやすいドンシャリです。
当然スマホ付属品とは大違いです。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感も良好です。
ボーカルは近くも遠くもなく普通ですが、曲によってやや近く感じます。
低音は主張が強く量感も十分に感じます。
高音もキラキラ感がありますが刺さりは感じませんし低音にも負けていません。

高音低音がはっきり主張しているドンシャリバランスです。
次にイヤーピースを黄軸に変更します。
すると先ほどまでの黒軸を使っていた時と異なり中音域が前に出てきて中低音域中心の傾向のイヤホンに変化しました。具体的にはボーカルが近くなり中音域が黒軸より濃い印象となりました。そして低音は黒軸よりも深く沈み込む印象です。反面高音は少し大人しい印象を受けますが、キラキラ感が減ったというよりは相対的に控えめに感じたためと思います。Yinyoo Proでもイヤーピースによる傾向の変化がありましたが、NICEHCK Broでも変化を感じることができました。

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ただし今回も黒軸と黄軸で外見上の違いは軸の色違いと内径が少し違いましたので、その変化による影響なのかもしれませんね。
そして傾向を例えるなら、これまでレビューしたZS4に近い黒軸とES4に近い黄軸でしょうか。
簡単にYinyoo Proとの比較をまとめるとProのすっきりとしたドンシャリに対し、NICEHCK Broの濃く派手なドンシャリと云えそうです。
続いて、箱出しインプレッションの後、エージングとして鳴らしこみを実施し、再度聴きこんでみました。
結果、それぞれのイヤーピースを使用した黒軸、黄軸の傾向はそのままに、どちらも低音の締りと高音に少し落ち着きを感じました。

 

NICEHCK Broは外れなの?と問われたら、「ドンシャリ好きにハマるイヤホン」で「イヤーピース黄軸が(Yinyoo Proとの差別化が分かりやすいので)気に入った」というのが、個人的な評価です。
なお、黄軸で少し気になったのが低音です。これまでのレビュー同様に「松岡充/SURPRISE-DRIVE」を試したところ、バスドラムのアタック音のキレは黒軸の方が良好(この価格帯として普通)ですが、「ドン」と沈み込むような深い低音の表現は黄軸が良好でボワつかずに上手く表現できていると感じましたが、個人の嗜好と云えそうですよね。

さて、NICEHCK Broはメリハリのある曲を好む方にお勧めできるイヤホンと感じましたが、よりドンシャリを求める方にはKZ ZS4をお勧めします。でも、高音の刺さりが苦手だけどドンシャリが良いという方にNICEHCK Broを選択肢に入れて欲しいモデルと云えそうですね。そしてドンシャリが好きだけどすっきりした傾向のイヤホンが欲しい方にはYinyoo Proをお勧めします。

最後に両者は同じ傾向を持つイヤホンですが、その音質傾向には違いがあります。同様の傾向を持つイヤホンとしてKZ ZS4はより最新モデルでドンシャリなのに聴きやすいのも魅力の一つです。そしてなによりBroもProもZS4同様にメリハリがあって聴きやすく、その付属品の豊富さにアドバンテージがあると思います。
反面、どんな曲にも相性が良いバランスの良いイヤホンや、ボーカルを中心に聴きたい方には、RevoNext RX8やKZ ES4等の方をお勧めします。
まとめとして、3,000円以下で買える中華イヤホンの中で、現在は2,000円後半で購入できますので、メリハリのあるドンシャリイヤホンが欲しい方には、そのコスパの高さが非常に魅力的な選択肢となると思います。気になる方はぜひ検討してみてくださいね。

高音★★★★(黄軸★3)
中音★★★(黄軸★4、ボーカル★3)
低音★★★★
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★(中低音重視の方黄軸★4)

あとがきとして、これで11個目の1BA+1DD中華イヤホンをレビューを終えました。今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ