みぃねこの備忘録

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Yinyoo Proレビュー

こんにちは。
以前の記事で1BA+1DDイヤホンレビュー編を一旦終了し今後は新製品で再開するつもりでしたが、ずっと気になっていたYinyoo Proを購入してしまいました。本来なら前回までの番外編を経て次は2BA+2DDイヤホンレビュー編をと考えていたのですが、ずーっと欲しかったんですよね。物欲もありますがちょっと考えてしまっていたところもありまして結局1BA+1DDイヤホンレビュー編の第二章開始ですw
今回はamazonのWTSUN Audio(Easy earphones)から購入しています。

 


Yinyoo Proは中華イヤホンセラーEazy earphonesが手掛けるイヤホンの一つで、同じ中華イヤホンセラーHICEHCKからもNICEHCK Broというそっくりなイヤホンが発売されています。それら2つのイヤホンの生い立ちはネットの情報に任せ割愛しますが、見た目は先日レビューしたZSTにも似ています。本体はZST同様に樹脂シェルタイプで、高音域BAと低音域DDドライバを結線し間に抵抗を通すことで、クロスオーバーをチューニングしているところも同様になりますが、決定的に違うのはケーブルコネクタがZST等の低価格中華イヤホンで採用されている2ピンではなく、中価格以上のイヤホンで多く採用されているmmcxタイプとなっています。このmmcxコネクタを採用しているところがちょっと上のクラスを思わせるあたりにメーカーの演出の上手さを感じます。
また、Yinyoo ProとNICEHCK Broはネットの評判を見る限り音質傾向に違いがある様子でみぃねこが何故Yinyoo Proを選択したのかと問われたら「派手なBro」より「まとまったPro」の方が好みに合いそうだというのが理由となります。
それでは、実際のYinyoo Proのレビューを以下、まとめていきます。
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パッケージングは白箱を基調とし中身が見えるシンプルなもの。
表は中身のイヤホンが見え、スリーブで箱の半分を覆い隠しています。そのスリーブの裏には英語でスペックが記載され、他の中華イヤホンとは少し異なるパッケージングです。このスリーブにはセラーのツイッターアカウントやフェイスブックアカウント。更にはサポートメールアドレス等の情報もあり、そもそも後付けのスリーブということが推察できます。本来は中国国内向け商品を海外販売するために用意したもので、白箱には基本的に中国語の表記となっているところがその理由です。
スペックは最早3,000円以下の低価格中華イヤホンのスタンダード、1BA+1DDのハイブリッドです。もちろんBAが高音域を、DDが中低音域を主に担当していてそれぞれの強さを併せ持ちます。多ドラやハイブリッドで重要なのは高音域と低音域のクロスオーバーチューニングで、技術の見せどころでもあり、難しさでもあります。このチューニング次第でYinyoo Proが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。
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ビルドクオリティですが、このYinyoo Proは他の低価格中華イヤホンで感じたような各所の仕上りに雑なところを感じません。イヤホン背面のチェック柄に皆さん賛否あると思いますが、みぃねこは嫌いではないですね。そして国産同価格帯では恐らく選択しないデザインと思います。良い意味で攻めたデザインと感じることができますよね。
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また、Proのシェルは、ZSTよりやや小さく、重さはほぼ一緒です。あらためて比較すると細部の形状が異なっていますので、ほかの違うイヤホンのオマージュなのかもしれませんよね。

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付属品はイヤーピースがウレタン1セット、シリコン赤軸、緑軸のそれぞれS、M、Lの3種2セットとイヤーケーブルフック、ケーブル、ケーブルストッパとこの価格帯では例をみないほど豊富です。イヤーピースはシリコンの赤軸、緑軸で音質の違いがあるのか楽しみですね。みぃねこは付属品イヤーピースの赤軸をいつもより大きいLサイズを使用して耳へのフィット感が十分でした。この辺りは個人差やステムの角度等も関係していると思います。
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付属ケーブルはシュア掛け用の癖付け等無くストレートでも使用可能ですが、シェル形状からするとシュア掛け前提といえ、全体的に細くしなやかなタイプです。ZST等のゴムゴムとは大違いで、タッチノイズも少なく取り回しは良好ですのでこのまま使用することが可能です。この辺りのコストの掛け方もユーザーからすれば非常に理にかなっていて「試しにそこそこ良いもの」を最初から購入される方には良い選択と云えそうですよね。そしてamazonではmmcxタイプのリケーブルは豊富にありますので、実際に使用してみて付属品ケーブルに不満を覚える方はyinyoo、NICEHCK、kinboofi等から発売されている1,800円程度で購入できるもう少し上のクラスにリケーブルするのも良いと思います。

それでは実際に聴いてみます。
再生環境はiPhoneSE、直挿し。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Cryingです。
先ずはイヤーピースを赤軸で使用して箱出しで聴いてみた第一印象は「結構メリハリがあるな」でした。ちょっとネットの評判とはちがうよなぁと云わんばかりのドンシャリです。
もちろんスマホ付属品とは大違いです。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は良好です。
ボーカル近くも遠くもなく普通ですが、曲によってやや近く感じますが、その場合少し低音の影響を受けているように感じます。
低音は主張がやや強く量感も十分に感じます。
高音もキラキラ感がありますが刺さりは感じませんし低音にも負けているわけではありません。

次にイヤーピースを緑軸に変更します。

すると先ほどまでの赤軸を使っていた時と異なり全く違う傾向のイヤホンに変化しました。具体的にはボーカルはすっきりした印象となりますが刺さりを感じます。高音は主張が強くなりシャリつきを感じ、低音はその高音に比べ主張は控えめで量感も少なくなります。正直イヤーピースでここまで変わるのかなぁと自身を疑い何度か交換を繰り返しましたが再現性はありました。赤軸と緑軸で外見上の違いは軸の色違いぐらいしか見つけられなかったので、ちょっと困惑してしまいましたが、傾向の違うイヤホンを楽しむことができるイヤホンと考えると「美味しいな」とやっと頭の整理できたところです。

そして冷静に例えるなら、これまでレビューしたZST proに近い緑軸とZS4に近い赤軸でしょうか。

簡潔にまとめるとYinyoo Proはメリハリがありながらも極端なドンシャリではないまとまった音といえる仕上がりで、ボーカルとの相性は曲によっては評価が分かれることになりそうです。
そのため、箱出しインプレッションの後、エージングとして鳴らしこみを実施し、再度聴きこんでみました。
結果、それぞれのイヤーピースを使用した赤軸、緑軸の傾向はそのままに、赤軸では低音の締りを感じ、緑軸では高音が少し落ち着きを見せて箱出しで気になったボーカルの刺さりは多少和らいだように感じますが、それでも「曲を選ぶ」と云えそうですね。
ではYinyoo Proは外れなの?と問われたら、「メリハリがあって楽しいイヤホン」なので「イヤーピース赤軸で愛用するつもり」というのが、個人的な評価です。それはイヤーピース緑軸で感じた主張の強い高音域とボーカルの刺さりは赤軸では鳴りを潜め、適度な高音域とやや低音域よりの表現がこの価格帯のイヤホンとして上手くまとまっていると感じたからです。

なお、赤軸を好む理由としてこれまでのレビュー同様に「松岡充/SURPRISE-DRIVE」を試しましたが、バスドラムのアタック音のキレはやや緑軸の方が良好で、赤軸は普通ですが、「ドン」と沈み込むような深い低音はボワつかず上手く表現できていると感じましたので、総合的に判断といいつつも個人の嗜好となりますよね。

 

さて、Yinyoo Proはメリハリのあるまとまった表現が得意で、ドンシャリが兎に角好きという方はKZ ZS4でも良いのですが、過度なドンシャリはちょっとという方にYinyoo Proも忘れてほしくないモデルと云えそうですね。両者は同じ傾向を持つイヤホンですが、ZS4はより最新モデルでドンシャリなのに聴きやすいのも魅力の一つです。そしてProはZS4同様にメリハリがあって聴きやすく、その付属品の豊富さ、特にイヤーピースで音質傾向の変化を楽しめるというオプションが最初から付いています。
反面、どんな曲にも相性が良いバランスの良いイヤホンや、ボーカルを中心に聴きたい方には、RevoNext RX8やKZ ES4等の方をお勧めします。
まとめとして、3,000円以下で買える中華イヤホンの中で、現在は2,000円後半で購入できますので、メリハリのあるドンシャリイヤホンが欲しい方には、そのコスパの高さが非常に魅力的な選択肢となると思います。気になる方はぜひ検討してみてくださいね。

 

高音★★★(緑軸★4)
中音★★★(緑軸ボーカル★2)
低音★★★★(緑軸★3)
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★(ドンシャリ好きの方赤軸★4)

 

あとがきとして、これで9つ目の1BA+1DD中華イヤホンをレビューを終えました。この記事をまとめている最中にもKZからは気になる新モデルの発売がリークされています。本当に中華イヤホンの勢いは止まりませんよね。そして楽しみですよねw。今後も1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。
みぃねこ