みぃねこの備忘録

いろいろなこと、主に趣味の備忘録として活用。アフィリエイトやってません。お気軽にリンクからどうぞ。

EZEAR X11レビュー

こんにちは。

今回は中華ワイヤレスイヤホンレビューとして、先日発売されたEZEAR X11についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのNex Audio(@NexAudio)から購入しています。

 


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EZEAR X11は以前レビューしたTrn T200やNEX Q70とTWS X19等と同様のイヤホン本体とプレイヤーを無線電波によってケーブルを介さずにワイヤレスで接続し、更にイヤホンの左右がケーブルで繋がれていない左右完全独立タイプのワイヤレスイヤホンとなります。

中華ワイヤレスイヤホンの5,000円以下で購入できる左右独立タイプの完全ワイヤレスイヤホンはシンプルな1DDモデルで機能は絞られますが、種類は豊富で通勤通学時にスマホで音楽を聴くために完全ワイヤレスイヤホンに興味があって試してみたい方にはお求めやすくお勧めしやすい価格帯と云えます。

一方国内外有名メーカーは多ドラハイブリッドモデルやノイズキャンセリング機能等をラインナップしそれらとは差別化し、中価格帯での展開が中心で、価格も1万円~3万以下の商品が人気です。勿論5,000円~1万円程度のモデルもありますが、機能やスペック比較では中華イヤホンが5,000円以下で達成しており、そのコスパには敵わないのが実情で、市場を棲み分けしてると云えますね。

 

完全ワイヤレスタイプの無線接続イヤホンは昨年から安価で実用性能が十分なモデルが多く発売され以前レビューしたTrn T200やQ70がその一例と云え、みぃねこはQ70を愛用しております。

Q70は現在実売3,000円台と安価でiPhoneで音楽を聴く際に必要十分な機能とシンプルな1DDによる安定した音質のモデルです。T200はQ70よりも価格は少し上がり5,000円前後となりますが、Q70同様に機能は十分で更に1BA+1DDのハイブリッドモデルでありQ70等の1DDモデルとは高音域の音質向上を感じられるモデルです。

そんな中、このEZEAR X11は5,000円以下の完全ワイヤレスの新商品として登場しました。機能やスペックは以前レビューしたTWS X19に近く、違いは操作がX19の物理スイッチ式に対し、X11はタッチセンサー式で更にケースに充電残量のデジタル表示があります。

タッチセンサー式は誤操作が心配なのですが、慣れの問題と云えばそれまでで、半年以上使い込んだ現在は、個人的にそれほど拒否反応はありませんね。

 

※気になる方は以前の記事も併せてご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

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以前レビューしたTrn T200とNex Q70は高性能チップQCC3020を搭載しapt-X、AAC、SBCという主要な無線コーデックに対応していましたが、EZEAR X11は採用されているチップが不明で販売ページではSBC、AAC対応となっています。そこでFiiO M11Proを用い接続テストしてみましたが、やはりapt-Xには非対応でSBCで接続しています。それらを考えると、iPhoneユーザーに的を絞った商品と云えそうです。

そういう意味では取り扱いセラーが同じで実売価格がTWS X19(現在は販売終了)に近く、そして操作がタッチセンサーとケースの充電残量デジタル表示と、その後継として新規取り扱いを始めたと考えると合点がいきますね。

なによりも、低価格帯の中華完全ワイヤレスイヤホンも高機能化の波が押し寄せてくる、そんな未来がそこまで来ているのかもしれません。

 

EZEAR X11の納期は流石の国内amazon、当日発送、翌日配達です。安心確実ですね。一方AliExpressでもセラーは異なりますが販売されており、バッテリー搭載機のため配送無料便を選択した場合には船便のスタンダードシッピング扱いとなりシンガポール経由ですので数週間掛かってしまいます。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
それではEZEAR X11のスペックを詳しく見ていきます。

 

■主要スペック(amazon商品ページ抜粋)

  • ダイナミックドライバ 1基
  • Bluetoothバージョン 5.0
  • 通信距離 約10m
  • コーデック AAC、SBC
  • イヤホン本体電池容量 45mAh
  • ケース電池容量 500mAh
  • ケース充電残量デジタル表示
  • 音楽再生 約3-4時間
  • 最大使用 約16時間(ケース満充電で途中充電要)
  • イヤホン充電時間 約1時間
  • ケース充電時間 約1.5-2時間
  • ケース充電 5V1A
  • イヤホン重量 片側約4.5g
  • ケース重量 約37g
  • ケースサイズ 約68x40x32mm

 

EZEAR X11は5,000円以下の低価格完全ワイヤレス中華イヤホンと同等のドライバ構成ですが、この価格帯でもiPhone等のiOSではイヤホンの充電残量が分かりますが、まだまだ珍しいケースに充電残量デジタル表示のある機種です。

Bluetoothはバージョン5.0を採用し前回レビューしたQ70同様に通信安定性の向上や省電力化によりリビングにiPhoneを置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることなく、屋外での使用でもiPhoneとの接続では政令指定都市駅構内等でも殆ど途切れることがありませんでしたので、一般的な使用では気にならないレベルと云えそうです。

 

また、連続使用は公称最大4時間とありましたが実使用で3時間程度の連続使用にとどまり公称よりはやや短め。これは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。

そして、iPhoneとの無線接続の際にはAACで接続することができSBC接続時より高音質で音楽を聴くことができました。次に他のDAPでも試してみましたが、FiiO M11ProではSBC接続となり、音質もさることながらやはり通信は少々難があり、先述の条件では屋内は途切れは問題ないのものの、屋外では結構途切れることがありました。そのため個人的にはAACで接続できるiPhoneとの親和性は高いと感じています。

 

使用時間や充電時間ですが実際に使ってみた印象として充電時間はほぼスペック通りと感じましたが、私の環境では音楽再生は少し短く3時間強程度といったところです。とは言え、家でTVを観たり通勤往復でも十分ですし、会社についたらケースに入れれば自動的に充電されますので実用上問題ないです。実際のところメーカー公称時間とユーザーの実行時間としてこれは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として問題なく満足できると云えます。

イヤホンの充電はケースに入れると始まります。X11はT200やQ70と比べバッテリー容量がほぼ同じ。こちらは使用した時間=電池残量にもよりますが数分から数十分程度で完了しますが、バッテリーローからは1時間程かかりました。

ケースの充電は残量によりますが1時間から2時間弱程度で完了します。ケースのバッテリー容量も一般的なため他社製品とほぼ同じ充電時間ですね。一度フル充電しておけばイヤホン本体をバッテリローから理屈では4回程充電できることになります。そして、繰り返しになりますがケースの充電残量がデジタル表示されることが最大の利点です。充電ポートはmicroUSBが採用され一般的なUSBタイプの5V1A仕様が適合していますので、携帯用のUSB充電器やPCのUSB等からも充電可能です。

 

イヤホン本体はX19同様のデザインで装着感は個人差があると思います。他の完全ワイヤレスイヤホンと比べシェルがコンパクト。耳の中に収めるタイプですので、上手く装着できた時の装着感は安定感が高く、落下の心配はなさそうですね。もちろんイヤピをしっかり合わせて固定するタイプのため耳の小さな女性やお子様には少々難があるかもしれません。

加えて、ポイントが高いのがイヤピの自由度が高いこと。

他の中華完全ワイヤレスイヤホンでは付属のイヤピしか事実上使えないことが多く、Spinfit CP360やSedona Eerfit Short及びLight Shortが使えればラッキーでしたが、Final Eやスパイラルドット、AET07等も使えます※。

※注:Mサイズ以下

 

■初回ペアリング方法(iPhone iOS13.3.1で検証済)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • ケース蓋を開け、(充電済みの)左右のイヤホンを取り出すと、左右イヤホンのLEDが青赤点滅する。(先に取り出したイヤホンがホスト)
  • iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「EZEAR X11」が表示されるのでそれを選択する。
  • iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。

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これだけです。

注意点としては、

初めにiPhoneBluetoothを有効にしてください。

最初に左イヤホンをケースから取り出してください(左親機)。

この2つが重要です。

上手くいかない場合、一度iPhoneからX11の接続の登録を削除して再度初めから実施してみてください。ペアリングが完了している場合、2回目以降は自動的に接続します。上手く接続しない場合はiPhoneBluetooth設定画面から「EZEAR X11」を選択してください。

 

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■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済。左ホストで検証)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • ケースから左イヤホン取り出しその後右イヤホンを取り出しペアリング開始。
  • イヤホン左から「コネクティブ」。右から「ペアリング」と聴こえ、接続完了の効果音が聴こえます。
  • iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでればペアリング完了。
  • iPhone標準のミュージックアプリで聴きたい曲を選択し再生する。
  • イヤホン左/右本体を2回タップすると再生/停止する。
  • 再生停止中に左本体を1回長押しタップすると前の曲に戻る。
  • 再生中に左本体を1回長押しタップすると再生中の曲頭出し。
  • 再生中/停止中に右本体を1回長押しタップすると次の曲に進む。
  • 再生中/停止中に左本体を1回タップすると音量が下がる。
  • 再生中/停止中に右本体を1回タップすると音量が上がる。
  • 再生中/停止中に左右どちらかの本体を4回タップするとSriを呼び出し。
  • 聴き終わったらイヤホンをケースに戻す。
  • ペアリングが解除される。
  • ケースのバッテリー残量がある場合イヤホン充電開始。
  • 右ホストの場合、左ホスト時の操作と左右逆になる。
 

音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。着信時の通話機能は未検証です。

X11ではT200やX19同様に音量調整がイヤホン本体から可能です。Q70はこれができなかったことが惜しいですね。

また、X19では物理スイッチでしたが、X11もT200やQ70同様によくあるタッチセンサー式で操作感は良好です。機種によって癖があったりしますがX11では気になる癖がなく感度も良好でポイントが高いですね。スマホの様にタッチするところを見ながら操作できる場合は良いのですが見えない場所をタップする操作方法では誤動作が心配ですが、幸いリダイヤル機能は無いようですね。特にリダイヤル機能があるモデルは本当にこれが心配ですので。

ここまで順調なX11にも音量調整に少々癖があります。

 

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※丁度良い音量に調整できるようになります
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恐らくiOSの仕様ですが、「設定」→「ミュージック」の「再生」項目で「音量を自動調整」を「ON」にしてください。ここはデフォルトは「OFF」の筈です。これがOFFのままだとiPhone本体で音が聴こえる最小音量(1メモリ)にしてもかなり音が大きいです。ONにした後は音量調整の自由度が上がり調整幅がありますので、好みの音量にすることができます。

 

このX11は何といってもケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入りペアリングが完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れてペアリング解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻すで完了する手軽さですね。同じ無線接続方式でものイヤホン左右が繋がっているネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要ですからね。

 

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イヤホン充電ステータスは各イヤホンのLEDが赤く点灯し、ケースの充電残量デジタル表示の左右にそれぞれ「L/R」表示と各イヤホンの充電中ステータスが縦バー表示されイヤホン充電完了後はイヤホンが消灯しケースの縦バーも消えます。

 

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次にケース充電中は充電残量デジタル表示が「100」で完了です。

 

 

それでは、早速Trn T200の実機レビューを以下、まとめていきます。



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パッケージングは白箱を基調としたシンプルなスリーブ付きタイプです。
スリーブの表にはEZEAR X11の文字があり、スリーブを外すと、無地の白箱が。過剰な装飾のないシンプルな化粧箱です。

白箱を開けるとイヤホンケースと小箱があり、充電用ケーブルとイヤーピースが収納されています。もちろんイヤホンはケースの中にあり、イヤホンがケースから充電されないように絶縁されています。

 

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付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットでMサイズが本体取付け済みで、他にはmicroUSB-タイプA充電ケーブルです。流石に必要最低限の付属品ですね。

取扱説明書には日本語もありますしamazon当該ページの使用方法の説明と合わせて余程のことがない限り困ることはないと思います。もちろん万が一の際はセラーのサポートがありますので問題ないと思います。


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開封時、イヤホンとケースが透明なシートで絶縁されています。
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※絶縁シートを剥がしています
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ビルドクオリティですが、このX11は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前購入したネックバンドタイプの商品では残念ながら不良品に当たりましたがその場合はセラーのサポートで対応可能であり、過度な心配は不要ですね。カラーバリエーションは黒色のみで、黒は屋外使用を考えると落ち着いた色となりますので、どのような服にでも合わせやすいですね。

 

付属の充電用ケーブルは短めなので充電のみで使用する場合、手持ちのmicroUSB-タイプAケーブルを使用した方が便利かもしれません。尤も使用されるシーンで付属の短いケーブルを使用される等使い分けもできますしね。


X19やQ70と同様にシェル本体は樹脂製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状も丸みを帯びており耳にへの装着は癖がありますが、一般的なネックバンドタイプよりも耳への収まりは良好で装着感は悪くありません。

 

※イヤーピースはAET07 M-サイズ装着

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次に耳への装着は付属品イヤーピース Mサイズでは音質的に籠りを感じましたので、先述のイヤーピースを色々試した結果、AET07 M-サイズを使用し耳奥の方に栓をするように装着するとみぃねこは装着感と音質にしっくりきましたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

この音が籠る感覚は付属イヤピでは装着感はさておき、鳴らし込みをしてもどうしようもなく、開口部の大き目なものを選択すると、バランスが良くなり音質が本来のものと感じました。

 

※画像はAET07 M-サイズを装着しケースに収納。充電の接触も問題なし。

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加えて、先述の通り低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの難点に付属のイヤピが特殊サイズの場合が多く、アフターマーケットのイヤピで音質やフィット感が良くなっても肝心のケースに入らないことがあり使用を諦めてしまう事があります。

このX11はケースのイヤピの逃げが大きく各社のTWS用イヤピや有線イヤホンでお馴染みのものを試すことができるのは有難いし、好みのイヤピが使えるというのは本当に嬉しいですよね。

 

※画像は付属イヤピ 。装着感は良いです。

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はiPhone8、Bluetooth コーデックAAC接続です。

実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET07 M-サイズを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音の主張が強く中音域に被りボーカルを邪魔している」でした。

そのため先述のイヤピ交換と少し鳴らし込みとして通勤等、日常的に1週間ほど使いこんでみたところ低音が落ち着き相対的に高音も増しました。

音場は普通からやや狭く感じ音の分離感は普通程度です。
低音は量感があり膨らむ。締りとキレは普通からやや緩い。ベースラインはしっかり追えます。重低音の沈み込み浅いものの響きの良さは聴いていて心地よさがありますね。
高音は煌びやかさは控えめですが中低音に埋もれることもなく必要十分。

中音は温かみを感じますが、音がやや重なる印象です。

ボーカルは暖かさがあり艶を感じ自然な位置から聴こえ近くも遠くもなく女性ボーカルが映えますが、反面男性ボーカルはやや遠く感じます。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリです。

その低音は箱出しでは支配的な印象がありましたが、イヤピ交換と鳴らし込みで落ち着き全体のバランスとしてやや低音の主張が強めながらも中高音を下支えしている、寧ろ外で使うワイヤレスイヤホンとしての全体のバランスでは丁度良い感じなのかもしれません。このバランスはT200に比べ圧倒的に強く、Q70に近いですね。

高音は控えめながらも主張はしっかりしていて刺さりを感じるような尖りはなく十分。聴きやすくまとめている印象です。

中音は凹みを感じずボーカルがメインの曲、バラード等は自然な位置から暖かく艶っぽさや生々しさを感じますが、ロック等の曲ではボーカルがやや遠く感じるかもしれません。他のワイヤレス同様に中音域がメインの音づくりと云えます。

傾向として低音≧中音>高音の関係で中低音域を重視した女性ボーカルを心地よく聴くことができるバランスです。

5,000円以下の低価格ワイヤレスイヤホンとして機能性は高く使い勝手は良い、iPhoneユーザーの普段使いにぴったりの商品と云えそうですね。

音質的には無線接続ではその性質上高音域や低音域の超高音や重低音がカットされてしまいますし、上を見れば10,000円を超えるモデルで音質が良いのは当たり前。でも先述した性質上の問題は変わりません。

つまり、接続するコーデックと味付けの問題とした場合、必要十分と感じられるのであれば安価に越したことはありませんよね。

もちろんDAPやイヤホンでaptX HDやLDACで接続できる数万円の高価格モデルであれば音質的に先述の性質もクリアできベストな選択ですが、高価ですのでなかなか手が出にくいですし、そもそも同じ土俵で比べてはいけないですよね。

まとめとして、このEZEAR X11は低価格帯の完全ワイヤレスモデルとして必要十分な機能を持ち、特にiPhoneユーザーはAAC接続による恩恵を受けやすいセールスポイントを持ちますが、低音が強いのはちょっと、、という方にはお勧めしにくいです。でも、普段使いの完全ワイヤレスイヤホンを探していて、その操作感を含め使い勝手の良いイヤホンをお探しの方にはぜひ検討してほしい商品と云えますね。


最後に、今回は5,000円以下で購入できる低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2020年3月20日)amazonで取り扱いがあり3,000円台前半程度で購入できるようです。AliExpressでも2,000円台と流石に安価ですが、その入手性にも少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

X11

以下、イヤピAET07 M-サイズ使用、DAP iPhone8
高音★★☆ 
中音★★★  
低音★★★ 
音場★★☆
分離★★★
お勧め度★★★☆ (iPhoneとの使い勝手の良さ。女性ボーカル曲★4)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの新商品をレビューをしてみました。完全ワイヤレスの中華イヤホンは5つ目となります。最新技術を低価格で投入し日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ 

 

 

TIN HiFi T4レビュー

こんにちは。

今回は中華イヤホンのシングルドライバモデルのレビュー編として中価格帯で発売されているTIN HiFi T4についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から購入しています。

ですが、現在当該セラーでは在庫切れしているようです(2020/3/7現在)。 

AliExpressのWooeasy Earphone Store(@hulang9078)には取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

※注、以下別のセラーのamazonリンクです 

 

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TIN HiFi T4は音質に定評のあるTIN HiFi社から発売されているシングルドライバ搭載モデルです。TIN HiFiのイヤホンは以前レビューしたT3やP1がありますが、これらはそれぞれ1BA+1DDモデル、平面磁界型シングルドライバモデルとドライバ構成に違いがあり、今回のT4はそれらとは異なりシンプルに1基のダイナミックドライバを搭載したモデルとなります。このダイナミックドライバにはカーボンナノチューブ(CNT)ドライバを採用しています。

最近は低価格帯でもカーボンナノチューブドライバを採用している製品が増えておりますが、素材の特徴なのか低価格帯の限界なのか分かりませんが、低音が控えめでその代わり音の解像感は比較的良好な印象です。例外としてSEMKARCH CNTDD1がありますが、あれは低音に全振り。やっぱりチューニング次第なんでしょうかね。

そもそもカーボンナノチューブとは何?ということですが、、、(ry。それを使用した振動膜(ドライバ)は軽量でイヤホンには最適且つ、剛性の高さから硬質でシャープな、そして反応が良さそうな雰囲気を醸し出します。

硬質で反応が良いドライバと云えば先日レビューしたKBEAR Diamondで採用されたDLCドライバが記憶に新しく、有名国内/海外メーカー製や高価格帯中華イヤホンで採用されていたDLC(Diamondはコーティングです)ドライバの採用によって分離が良く解像感の高い音質傾向でした。

いずれにせよ高価なCNTやDLCドライバが中価格帯U10,000で採用されたという画期的な商品で流石中華イヤホンですね。

 

※CNTやDLC及び、平面磁気型ドライバの技術的な解説は以前同様にどうしても知りたい方はgoogle先生で検索してみてくださいね。だってそれを長々と書いても興味がない方はつまらなくて読む気にならないと思いますし結局音は如何なんだよって方が殆どではないかと思いますので。

 

さて、このTIN HiFi T4はこれまでのTIN HiFiの商品の中では比較的高値です。現在(2020/3/7)はP1が中価格帯U20,000、実売18,000前後と旗艦モデルとなります。それよりは比較的安価な販売価格が設定されていますが、国内amazonでもA10,000と簡単に手が出せる金額とは言いにくいです。やはり10,000円を超える中価格帯ともなれば吟味して購入したいですからね。

TIN HiFi P1のレビューでも書きましたが、みぃねこは所有していてもこの辺りの価格帯の商品は殆どレビューをしていません。それでもT4を購入し記事を書いているのは、やはり「良い商品は誰かに伝えたい」という想いです。それぐらいTIN HiFi T4はTIN HiFiらしい良い音を聴かせてくれます。しかし、発売は昨年と少し前でありながらレビューが少なく折角の良い商品なのに販売に繋がっていない印象です。勿論、音質は嗜好による好き嫌いが良し悪しとなるのが現実であり、理想は数値化による可視化な訳ですが、どうしても味覚と一緒で「甘い・辛い・苦い」という主要素は説明しやすく伝えやすいですが「どれくらい」という絶対評価に繋がる客観的要素が乏しく個人の主観によるものになってしまいます。

繰り返しになりますが、音質の良し悪しは味覚同様に極端な美味しいor不味い同様の括りでは差異が出にくいものの「もっと○○だったら良いのに」という個人の嗜好による主観的要素が反映されます。もっと云えばその主観もこれまでに聴いたことがある音を基準に相対評価で認識されてしまいますので、可能であれば試聴でも良いので色々な音を聴いてみてご自身の好みを確定させ、ご自分の嗜好に近い方のレビューを参考にされるようにすることで、間違いの可能性を下げるリスクマネジメントも大切だと考えます。

元々この備忘録は一般的な国内及び海外有名メーカーではないけど良い音を聴かせてくれるらしい商品を試聴ができなくて二の足を踏んでいる方の背中を押してあげることができるように始めていますので、万人受けするものをお探しに方には特にご参考頂けるのではと自負しております。

そして、なによりも国内及び海外有名メーカーに勝るとも劣らない(かもしれない)中華イヤホンの楽しさを伝えていけたら幸いです。まあ、いつも通りの言い訳ですね、はい。なんやかんやでT4が気になって、我慢できなかったというのが一番の理由でございます(笑)。

 

※TIN HiFi P1の過去記事もよろしければご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※KBERA Diamondの過去記事もよろしければご参考ください 

miineco106.hatenadiary.jp

 

※TIN HiFi T3の過去記事もよろしければご参考ください 

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんな訳でカーボンナノチューブドライバを搭載したTIN HiFi T4を同社のP1やT3とKBEAR Diamondとの違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

TIN HiFi T4はオール金属製のシェルが採用されています。デザインは同社T3を踏襲しておりますが、それより一回り程度コンパクトな金属製シェルとなります。ステムノズルはコンパクトなシェルに対し、やや太め。そのため、使用するイヤーピースで上手く調整する必要がありますが、装着感はT3で問題ない方は比較的良好となりそうです。

 

T4のスペックは10mmのCNTドライバを片側1基搭載し、付属するケーブルも銀メッキ銅線と上質なものが採用されています。CNTドライバは比較的高価なことと、金属製シェル、上質な付属ケーブルが採用されていることからも必要な部分には惜しみなくコストを掛けた妥協のないTIN HiFiの商品づくりは共感できますね。

そして、T4は片側に1ドライバのため、多ドラの様な複雑なクロスオーバーはありませんしシンプルで実績がある方式のため安定した音を奏でられるアドバンテージがあります。それはこれまでレビューしてきた中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンとは異なり1ドライバ故の自然なつながりがある音が期待できるからです。複数のドライバを搭載した場合、各ドライバの担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングという難題があり低価格帯では特にこの辺りを派手な音づくりにすることで誤魔化した商品も多くあります。もちろんT4は1ドライバとはいえチューニングは行いますし大事ですが、このチューニングポイントに経験則を活かし易くそれ次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

TIN HiFi T4の納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。さらに現在は1月末からの春節及び、以降のコロナウィルスの影響で中国物流も麻痺しており2月下旬に漸く動き始めた様子です。余談ですが1月末に購入した商品が最近やっと届きAliExpressを使い始めてから初めて5週間以上も掛かっています。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速TIN HiFi T4の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは黒を基調とし金色のブランドロゴと商品名をワンポイントとしたシンプルな黒箱化粧箱です。

 

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箱の上箱を外すと黒地の内装の台座にイヤホンとイヤホンケースが収納されていて、イヤホン台座を取り外すと小箱があります。

 

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その小箱にはイヤーピースが複数セット収納されています。

 

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ケーブルはイヤホンケースの中に収納されています。しっかりとした造りのイヤホンケースは所有感も満たしてくれますね。

同社のP1同様に、流石中価格帯と感じる比較的豪華な化粧箱で、T2とT2 ProやT3とは価格帯も異なりますが、しっかりと差別化されていますね。

 

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付属品のイヤーピースはシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各2セットとフォームタイプ白のM?が1セットの計3セットが付属します。シリコンイヤピは口径と傘の材質が異なりそれぞれ好みの音質に調整が可能です。

ケーブルは高純度の銀メッキ銅と上質なもの付属しており、A10,000円の中価格帯として十分な付属品ですが、これだけでも十分完結できるセットと云えますね。


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ビルドクオリティですが、TIN HiFi T4は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。TIN HiFiの製品は安心して購入できると思います。

なお、カラーバリエーションは銀色のみです。


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付属ケーブルは4芯、高純度のOFC銀メッキ銅線材を使用した明るい灰色(銀色?)のツイストタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側はmmcxコネクタです。この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。唯一気になるのは被覆が引っ掛かりやすく耳への装着性は悪くないのですが、やや取り回しが悪いのが残念です。全体的に多少の絡まり易さはありますが、しなやかさはあり中価格帯A10Kの商品に付属するケーブルとしては十分で、そのまま使用することもできますし、少し派手な色合いのケーブルですが本体色との一体感もあり満足感は高いですね。

個人的には被覆の質感だけが気に入らないので、リケーブルはしようと思います。

 

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※画像左からDiamond、T4、T3
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T4はコンパクトなシェルですが、比較用にKBEAR Diamondと同社T3を並べてみました。Diamondは比較的コンパクトなシェルですが、T3は1BA+1DD多ドラモデルながらもコンパクトに抑えられています。それよりもコンパクトなT4のシェルが際立ちますね。

また先述の通りT4のシェルデザインはT3と同様のデザインですが、一番の違いは背面(フェイスプレート?)のデザインで、航空機のジェットエンジンを彷彿させ個人的に特にカッコ良いと思っています。また、mmcx接続部が特にコンパクトで円筒型シェルもやや細めで本体長さも短くなっているために装着感はT3よりも良好に感じます。ただしシェル自体はコンパクトですがステムノズル部はT3同様にやや太めのため、個人差がありそうな印象ですね(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

勿論ステムノズルの先端端面にメッシュフィルターが装備されています。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりまが、リケーブルしケーブルを下に垂らすストレートでの使用することも可能ですので、シュア掛けが苦手な方は朗報ですね。

先述の通りT4はステムノズルがやや太めながらも、耳へは付属の白いシリコンイヤーピースで耳の奥に栓をする感じで装着し音質的にもみぃねこはしっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますが、T4では手持ちのイヤピの出番はありませんでした。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSONY NW-ZX507、直挿しアンバランス接続です。

これまで中価格帯はFiiO M9を基準としていましたが、前回のDiamond同様にSony NW-ZX507にてレビューを行います。ですが、ZX507のエージングはまだ完了していないので、現時点の音であることをご了承ください。(長いよ200時間)

もちろんSHANLING M0とFiiO M5やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や特に低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

特に低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属品のシリコンイヤピ白 Mサイズ。ケーブルも付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音が繊細で響きの良さがあり低音も量は多く無いものの十分。全体的に華やかで響きの良さ、雰囲気良く聴くことができる。」でした。
こちらも箱出し直後は低音が控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

 

音場は立体的でやや広め。曲によって広く感じます。

高音は十分な煌びやかさがあり響きが良く小さな音も聴き分けられ繊細で、しつこさはなく刺さりも感じません。

低音は量感はやや控えめで適度な響きと音の強弱が掴み易くベースラインも追いやすい。

重低音はそれほど沈み込みを感じませんが十分な強さがあります。

中音は高音同様に小さな音や強弱を掴み易く解像感は高く良好です。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれます。

一言で云えばやや中高音寄りでフラットに近いバランス。何処かの音域を強調せず、自然に聴くことができ、TIN HiFiの音づくりの上手さが感じられます。

もっと云えば、高音の存在感があるが、シャリシャリとでしゃばらず、繊細で伸びの良さ響きの良さを感じしっかり描写していますが、少し弱いと感じる方もいるかもしれません。

中音も響きが良く、高音程では無いが描写は良好。解像感も良好でボーカルを邪魔しない。そのボーカルはややドライな傾向ですが、クリアで聴きやすく息遣いを感じられ高音低音に埋もれないバランスです。

低音の量感は中高音に比べ控えめに感じますが、適度な響きがあり音の強弱は掴み易くこちらも解像感の高い質の良さがある音です。重低音は十分な強さがありますが、沈み込みはやや浅く感じますので物足りなさを感じる方もいるかもしれません。

しかし、この繊細で丁寧な音と何処かの音域を強調しない、やや中高音寄りの適度なバランスはこれまでのTIN HiFiの音作りからブレることなく、寧ろ真骨頂と考えると妙に納得してしまいますね。

ただし、同じTIN HiFiのT3やP1と比較すると中高音の透明感はT3の方が良好で分離感はP1の方が良好に感じますので、それはそれでそれぞれの良さがあり好みが分かれてしまうかもしれません。

いずれにしてもT4はT2やT2 pro、T3の音質傾向よりもオーソドックスでポピュラーな音であり、P1の個性的な音とは違いシンプルに良い音と感じられ、音楽を心地よく聴くことができ、万人受けする音質傾向と云えるのかもしれません。

 

次にDiamondとの比較です。Diamondは中高音寄りのややドンシャリでキレの良さがあり低音の量感はやや多く感じます。量感が欲しい方はDiamondの方が好みに合いそうですが、そもそもが控えめなのでイヤーピースやリケーブル等で調整が必要かもしれません。一方T4も控えめですが質感はこちらの方が良好です。

高音もDiamondの方が主張していますが、T4の方が繊細で強弱を掴みやすく解像感は高く感じます。Diamondはよりくっきりはっきりと描写していますので、Diamondの方が良好そうですが、T4の弱く小さな音もちゃんと聴こえ繊細さがある音と比較するとやや派手に感じます。

そして中音はどちらも解像感の高く良好であり、強いて云えば音の強弱を繊細に表現するT4の方が僅差で上と感じます。ボーカルについてはややDiamondの方が艶がありますが、ややドライに感じるT4もけして劣っている訳ではありません。これは好みですね。

とはいえDiamondもT4もどちらかだけを聴くのであれば、両方上手い音づくりだと思いますし、カーボンナノチューブドライバのT4とDLCコーティングドライバのDiamondでは同じ中高音のキレの良さがある音質傾向でやや派手目のDiamondと地味ではないが真面目な音のT4というチューニングの違いがメーカーがどういう音づくりを目指しているのかが分かり興味深いですね。

この音作りのどちらが好みかによって評価が分かれると思いますが、どこかを強調し破綻せず整った上手いバランスの一聴して良い音と感じられる。それがTIN HiFi T4なのだと思います。

なお、Diamond同様にT4もパワーのあるDAPやポタアン等を使用してみると印象が良い方向に変わると思いますので低音が物足りないと感じた方は是非お試しいただければと付け加えておきます。

 

まとめとして、TIN HiFi T4は中価格帯の中華イヤホンでは珍しい1DDモデルとシンプルな構成でありながらCNTドライバを採用した価格を抑えた同社の意欲作で、同社の綺麗な中高音の音づくりからも大きく外れることのない、何方かと云えばTの系譜というよりもPの系譜と云える、十分満足できるモデルと云えそうです。

ですが、流石にスマホ直挿しでは本来の性能を発揮できず、ポタアンを介し出力を確保した上で聴く場合に「これがお前たちが目指した音づくりか~」という世界観を感じられると思います。

 

最後に、以前のレビューでも何度か触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。(コロナ早く終息してくれ)

  

高音   T4 ≧ Diamond  (繊細さはT4。派手さはDiamond)

中音   T4 ≧ Diamond  (繊細さはT4)

低音   T4 ≧ Diamond  (質感はT4。量感はDiamond)

ボーカル Diamond ≧ T4  (ドライ傾向のT4。暖かさのDiamond)

音場   T4 ≧ Diamond

 

最後に、今回は国内amazonのセールなどで稀に10,000円以下で購入できますが、実売は11,000円前後の中価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年3月7日)amazonでも取り扱いがありますし、AliExpressではフォロワー割で9,000円前後とお求め易い価格ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中ではTFZ一択ではなく、魅力的な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものを購入したいと考えていて気になった方は安心確実なamazon。新商品を少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

T4
以下、付属ケーブル、付属イヤピシリコン白 M使用、DAP ZX507
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

 

あとがきとして、今回はCNTシングルドライバ搭載の中価格中華イヤホンの商品レビューをしてみました。そして前回から再生環境も更新しています。再生環境更新はこれまでの基準との相関を必要としますが、そのあたりは別途記事にしたいと思います。

そして、日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

FiiO M5 と SHANLING M0 を比較

こんにちは。

2020年の2月がもう終わろうとしています。世間ではコロナウィルスによる市中感染が取り上げれられ、相変わらず中国は生産が滞り、物流は麻痺し世界の経済への影響は大きく損失はかなりのものとなりそうな様相です。ミクロな視点では我々中華オーディオファンは春節前後の新作発売等、全く動きがなく話題に飢えており、やはり停滞していると感じます。。

そんな先行き不透明な暗い状況ではありますが、悲観してばかりもいられないので、前を向いていこうと考えていまして、今回はいつもの中華イヤホンではなく中華デジタルオーディオプレイヤー(以下DAP)を取り上げてみたいと思います。

以前レビューしたSHANLING M0は当ブログの中で、いまでもアクセス数が安定していて、スマホに代わる小型DAPのニーズは高いと感じております。その小型DAPとしてSHANLING M0の独壇場に昨年FiiO からM0を意識した、というよりぶつけてきた小型DAPのFiiO M5が発売されました。

このFiiO M5はサイズ感だけでなく独自OSの操作感などもSHANLING M0を強く意識した製品となっており、発売当初から気になっておりました。それもその筈、当ブログではメインの中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンのレビュー時に使用するDAPとしてSHANLING M0を採用しており、ブログ当初はiPhone SE(6S)を使用していましたが、DAPとしてはスマホより上という評価で再生環境をスマホからM0へ更新した経緯があります。

そのM0のライバルとして、M5が後発の有利さを発揮しM0に取って代われる存在なのか?実際に購入して色々試してみた結果をまとめてみたいと思います。

 

※SHANLING M0のレビューもご参考ください 

miineco106.hatenadiary.jp

 

M0のレビューでも触れましたが、イヤホンとDAPには少なからず相性があると経験から感じています。そのため音質傾向はM5がM0やiPhone SE(6S)とかけ離れない機種であるかどうかも重要な要素となります。

小型DAPスマホと2台持ち運用を可能とする条件として 

  • 購入価格1.5万円以下(2万円前後及び超えるクラスはスペックの差が大きい)
  • Bluetooth接続可能なこと(AACまたはaptXは最低限クリア)
  • 有線接続可能なこと(3.5mmプラグ)
  • 持ち運びが苦にならない大きさ/重さであること(携帯と2個持ちで苦にならない)
  • 音楽データ管理が簡単にできること(内部/外部ストレージ)
以上5つを前提とし、もちろんFiiO M5はそれをクリアできています。
操作性はM5はM0同様にタッチパネル操作メインと音量調整等の物理キー操作でM0は音量調整がダイヤルキーという違いのみです。本体の大きさ、画面の大きさ、重量はほぼ同じとなります。
FiiO M5のスペック(抜粋)
  • 1.54インチタッチスクリーン(モーションジェスチャー対応)
  • DACチップAK4377採用
  • Bluetooth4.2対応(受信LDAC/aptX HD/aptX/AAC/SBC。送信LDAC/aptX/SBC)
  • トランスミッター/レシーバー機能
  • 主要なオーディオフォーマットに対応(ハイレゾ対応)
  • PCM最大384kHz/32bit、DSD64/DSD128をサポート(ファイル形式MP3/OGC/AAC/AIFF/APE/FLAC/ALAC/WAV/DSD/ISO等) 
  • microSDカード(最大2TB)対応(注:内部ストレージ無)
  • USB-C接続によるDACトランスポート機能(別売OTGケーブルが必要)
  • 連続再生13.5時間(待機時間は約22日間)
  • 本体サイズW43.5 x H42 x D13.7 mm 重量約38g
  • 販売参考価格 約11,600円(amazon内、国内正規販売、2020/2/23現在)
  • 表示画面向き回転可能(腕時計)
  • 歩数計(ヘルスケア)
  • 録音機能(ボイスレコーダー
詳細はメーカーサイトまたは他の方のレビューを参考にしていただけますと間違いがないと思いますが、恐らく抜粋したスペックで十分に比較できると思います。
 
※M5とM0の大きさを比較
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画面サイズは同じ1.54インチ。外寸はほぼ同じ大きさですがM5の方がM0よりも縦が小さく、横が大きく、高さが0.2mm大きく、重量は同じとなります。一見すると正方形に近いM5と縦長長方形のM0という違いですね。
画面の綺麗さはM0の方が温かみがある色彩で、M5は寒色寄り。画質はM0の方が解像度が良い印象です。
 
次に実際にM5を使ってみた感想として
 
操作感
  • 独自OSではあるがiOS同様の直感的な操作が可能でM0に寄せている。
  • OS言語は日本語選択可能。翻訳が微妙で「???」となる場面もあるかもしれませんが、意味は伝わります。
  • M0同様にフリックの感覚は敏感で慣れが必要。どちらも流石にiOSには敵わないしケースを装着すると右フリックの使い難さが増します。
  • タップで選択の際、反応が良すぎて誤反応しやすい。また、M0同様に右へフリックで戻る機能がありますが、M5は少々鈍感。M0はメインメニューに戻るが長くタップでできますし操作感は上。
  • プレイリスト作成は最低限のレベルで可能。登録したい曲を選択し再生画面から登録するのでちょっと面倒。

取説は最低限の対応。国内代理店による正規販売ならばサポート等も活用できます(敢えて多くは語りません)。この辺りは海外製品という事もあり、自己責任というか自分で試して解決できるような方や、それを楽しめる方でないと、少々面倒なことになりかねません。基本的にそれらを不安な方は国内メーカーのSONY等を選ばれる方が安全安心確実です。

 
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※アルバムアートも映ります
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※無線ペアリングは左ホスト(接続済み表示)としてください。理由は後述。
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※左接続済み、右接続失敗表示ですがこれでペアリングできています。
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※接続したコーデック表示は画面右上Bluetoothマークと音量マークの間に「A」と表示
 A表示は「aptX」の意味
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※FiiO純正腕時計ケースのフィッティングは良好。画面OFFから復帰時に表示されます
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※アルバムアートの解像度は悪く少しぼやけた印象。
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FiiOの純正腕時計ケースの問題点は無線接続前提となるところ。ケースが本体全体を覆うため有線ジャックが隠れてしまいます。
そのため別のケースも試してみました。
dd製のケースです。こちらは有線ジャックが隠れませんが、バンドが長短2種付属し腕時計として使ったり、ランニングのお供にアームバンドケースとして使ったり使用するシーンに応じて選択できます。
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※有線接続した図
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※この画面の「ハート」マークをタップしてプレイリスト(お気に入り)へ登録
 
多様性
  • Bluetooth4.2に対応し無線接続を高音質のaptXやLDACで送信できます。ワイヤレス環境でも高音質で音楽を聴くことが可能。
  • 純正オプションのケースを使用し腕時計として活用ができます。ただし有線接続不可、aptX、LDACのみ。AAC不可のため、iPhoneユーザーで手持ちのTWS等のコーデックがAAC(含むSBC)のみの場合はその恩恵を受けられません。
  • スマホ等から音楽をBluetoothで送信してレシーバー(受信)としてお気に入りの有線イヤホンで音楽を聴くことが可能。受信ではAACに対応しているのでiPhoneユーザーも安心です。
  • PCへUSB接続しUSB-DACとして使用可能。別途OTGケーブルを用意しUSBオーディオ出力しDACポタアン等に接続可能。
  • 曲データ管理はPCから単純にSDカードに音楽データをコピーすればOKです。本体表示やプレイリスト等にこだわりたいところですが、私は諦めていますので「FiiO M5 m3u8」等で検索し他の方の詳しい方法が載っているブログを参考にしてみてください。
  • 歩数計ボイスレコーダーとしても使えるようですが、試していません。
LDACは手持ちのWH-1000XM3で確認し接続OKでした。SONYのワイヤレスヘッドホン等を持っている方には(グレードにもよりますが)ウォークマンよりも安価でコンパクトですし、多様性もありますので、そのグレードによっては安価に高音質なワイヤレス環境が整いますのでお勧めできます。
 
それでは肝心の音質に違いについてまとめます。
 
音質傾向(SHANLING M0との比較)
 
比較で使用したイヤホンは
  • Trn ST1
先日レビューしたST1を使用しています。結論から云えば、音楽を楽しく聴きたい方はFiiO M5を。スマホとの差別化を重視する方はSHANLING M0となりそうです。

 

SHANLING M0

  • 低音は強く締りがあり深さがある。
  • 高音はキレがありしっかりと描写する。
  • 中音は音の描写が良くボーカルに暖かさを感じながらも淡々と伝わる。
  • まとめとして音の描写が明朗で締りのある音。極端な脚色をしない音。

 

対して

FiiO M5

  • 低音は量感と広がりがあり響きが良い。
  • 高音は伸びがあり響きの良さがある。
  • 中音は響きが良くボーカルに艶やかさがある。
  • まとめとして雰囲気が良く聴いていて心地良さを感じる音。

 

M0とM5の音場は共に普通程度ですが、解像感はM0がやや上もM5が極端に劣っている訳ではなくiPhone6s直挿しよりも良好に感じ、それはiPhone6sでは高音と低音を強調していて聴いていて楽しいのですが、中音はやや籠りというか音がマスクされたような感じでクリアさはM0やM5が良好に感じます。

加えて、M0の方は出力に余裕がある分、聴こえる音にもゆとりを感じられます。

音質傾向は採用したDACの違いによる差という印象もあり、明朗な音のM0と雰囲気が良い音のM5。

もっと云えば、M0は音の輪郭にシャープさがあり、M5は音の伸びや広がりを重視していてiPhoneの音からはグレードアップ感を感じやすいかもしれませんね。反面、同じような音に感じる部分もあり、敢えて別の音質傾向を選択するというのもDAPに何を求めるのかによって違いはあり面白いところですね。

そのため、音質的には好みで選んでいただいて、何方を選んでもスマホ直挿しからは十分満足できるのではないでしょうか。

 

※SHANLING M5とTrn ST1の過去レビューはこちら
 
 
以下参考として

FiiO X3mkⅢとTrn ST1

  • 高中低音の全域で解像感が高くメリハリがある音
  • ボーカルはクリアで伸びを感じ心地よく聴こえる
  • 低域は強さと量感があり締りも十分でベースラインをしっかりと追える
  • 高音はより煌びやかさ伸びやかさがある
現在はFiiO M9にその座を譲ったX3mkⅢですが、DAPのエントリークラスやiphoneと比較して、今でも十分に良い音であり通用するDAPと云え、後継のM9は音がすっきりし淡々と鳴らすドライな印象がありますので、それよりも音は好きという方がいらっしゃるのにも納得です。

 

さて、使用するプレイヤーによるイヤホンの音質の比較結果は

  • FiiO M5とSHANLING M0の音質傾向が異なる
  • FiiO M5とiPhone 6sの音の方向性は似ているが音質はM5が上
  • 高音域の解像感はM0の方が良好もM5の方が伸びがある
  • 中音域はM0の方が解像感が高くクリアに聴こえ、M5は雰囲気が良い
  • 低音域はM0の方が解像感が高く音を追いやすいが、量感はM5の方が多い

と簡単にまとめてみました。

 

音質の比較結果と機能性を総合した商品価値から考察するとFiiO M5は後発故の有利さを活かし使用するシーンに合わせてプラスワンの機能を持たせ、音質はスマホ以上を確保していますが、後発の利点である先駆者の課題をクリアできていない事。機能性も売りの腕時計型DAPによる無線接続機能がAAC送信に対応していない事がマイナスと惜しい。早急なファームウェアアップデートに期待したい。
一方先駆者であるSHANLING M0は本来の小型DAPとして機能のブラッシュアップをファームウェアアップデートによって幾度となく重ねることで商品価値を上げており今後のアップデートも期待できそうです。そして何よりもこちらはAAC送信可能なため既存iPhoneユーザーを取り込みやすく、日本市場を「わかっている」感があります。
見せかけのユーザーサポートではない、本当のマーケティングをFiiOには望みたいところです。
 
 
まとめとして、もしも今iPhoneユーザーで通勤通学や余暇に音楽を聴いて楽しんでいる方がもう少し良い音で聴いてみたい。でもiPhoneと同じような大きさで2台持ちは嵩張るし面倒かなと考えているのならばSHANLING M0をお勧めします。
一方で現在スマホandroidの方が同じような理由で小型DAPを選ぶならばFiiO M5を腕時計として活用するのも面白いのではないでしょうか。
 
あとがきとして、今回SHANLING M0に対抗する製品としてFiiO M5に手を出してしまいました。結果は、まあ、あれなんですが、決してFiiOが全然ダメという事ではなく、みぃねこには合わなかったということですので、「DAPに何を求めるか」によって評価が大きく変わる魅力的な商品であることは間違いないのでくれぐれも誤解されないようにお願いします。
懲りずに今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ
 
※2021/02/20 誤字等修正
 

Trn ST1レビュー

こんにちは。

今回は久しぶりにいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として低価格帯で発売されたTrn ST1についてレビューをまとめたいと思います。

ST1はAliExpressのNiceHCK Audio Store(@hckexin,@NiceHCK_Audio)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取り扱いがあるようです。(2020/01/30現在)

 

 

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ST1はTrn社が昨年11月に新発売した低価格帯の最新モデルで昨年末AliExpressにて先行販売されています。

このST1は某メーカーのアレに「トニカク似ている」ギリギリ…いや、オマージュにしては寄せ過ぎの外観は最近のTrnは評判が良かっただけに「あの頃のTrnが帰ってきた」悪ノリが過ぎる本来の?Trnと云えそうですね。

ST1ですが中華イヤホンを追っている界隈の中で低価格モデルを販売する有名メーカーとしては久しぶりの1BA+1DDハイブリッドモデルで販売価格が1,000円台と低価格帯U5Kの中で最も安価なプライスゾーンとなります。その低価格1BA+1DDハイブリッドモデルで以前レビューしたのが昨年8月のRevoNext NEX202で国内未発売モデルですが、こちらは4,000円と低価格帯でも少々お高め。実質的な競合製品としては同社IM2が昨年6月、Yinyoo Ashが同5月と実に半年以上前に発売されたモデルという事になります。中華にしては珍しくスパンが長く?待たされた感がありますね。そしてこの価格帯で忘れてはいけないのはKZ社の製品です。それは言うまでもなく同社ZSNやZSN Proとなりますが、それらともドライバ構成やスペックだけではなく販売価格からも競合する商品と云え、違いが気になるところです。

 

Trn社はこれまでに1BA+1DDハイブリッドモデルのV20やIM1及び、IM2を発売しており、2018年4Qに発売したIM1ではST1同様に某メーカーをオマージュしたデザインを採用していたのが記憶に残っています。その後2019年1Qから3Qまではオリジナルデザインのモデルを発売しておりましたが、4Qに発売した5BAモデルでこれまた某メーカーをオマージュし、このST1でもオマージュするという「4Qに何かあるのか?」というTrn社の社風を疑う次第です。

とはいえ昨年のTrn社はオマージュではないオリジナルデザインを採用したり、以前レビューした1BA+1DDのIM2や4BA+1DDのV90に加え、外観はオマージュだけど5BAのBA5等は中々の完成度でネットの評価も上々の様ですし、今回のST1も外観はアレだけど期待値は高く、突撃してみた次第です。

最近は葛藤もありまして、低価格に自分が求めるものは無いと気が付いているのに購入し続ける様に、

「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを」

という赤い彗星の名言を引用し、更に、

「見せてもらおうか、連邦軍(中華)のモビルスーツ(ハイブリッドイヤホン)の性能とやらを」

と、息巻いている。

これが沼というものなのですよ(アホ)。

…茶番はここまで。

半年ぶりに待望の低価格1BA+1DDハイブリッドモデルを手に入れましたので、これまでに評価の良かったKZ ZSN Proや同価格帯CCA CA4との違いを交えながら、ST1のレビューを纏めていきたいと思います。

 

ST1のスペックですが低価格帯で多く採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。2つのドライバの内、ダイナミックドライバには10mm径の比較的大きなドライバを中低音域用として搭載しBAにはTrnオリジナル30095が高音域用に搭載さています。

イヤホン本体はフェイスプレートとステムノズルに金属製を用い、シェルは樹脂製とZSN ProやCA4と同様です。実際の商品を見るとシェル本体とフェイスプレートの接合名は綺麗で数年前のZSTと比べるとクオリティの高さを感じられますね。

そしてST1はこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

ST1の納期としては11月下旬にオーダーし12月初旬に発送。12月下旬に届きましたのでオーダーから約1か月。発送後からは約2週間掛かっていますが、今回は新製品のプレオーダーですしまあ普通レベルと云えそうですね。流石に国内amazonの当日発送、翌日配達とは比較してはいけませんし、AliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速Trn ST1の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはTrn社のオリジナルデザイン、白を基調とした側面が黒のスリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座を取り外すと、その他付属品が箱の底に入っています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み。他にはケーブルです。U2Kの低価格帯としては必要十分以上の付属品となります。


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ビルドクオリティですが、私のST1は右側ステムノズルのメッシュが浮いていて(上記画像が浮いた状態で修正前)「またかよ」と思いながらそっと本来の位置に押し込み事なきを得ましたが、最近の中華イヤホンではあまり雑なところがないのに本当このメーカーだけはV30といい未だにアレですね。Trnの製品は偶にがっかりすることもありますので、手放しでお勧めしにくいですが、最近はかなりマシになってきていますし、それ以外はこのST1では低価格帯としては綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションは青(FP銀色)と紫(FP銀色)と黒(FP黒色)の3種類あり、みぃねこは黒を選択しています。

 

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付属ケーブルはシェルの色と同様に黒色の編込みタイプで細めのしっかりした線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側はKZ Cタイプ2ピン仕様です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも質感が高くそのまま使用できますし黒色ケーブルが本体色と同色で一体感がありますね。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これにより良い塩梅になり装着感が良くなりますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

  

※画像左からCA4、ST1、ZSN Pro 
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ST1とZSN Pro、CA4の外観の比較として、樹脂シェル本体はZSN Proと同じ様子。フェイスプレートの造形による厚みが異なるようです。一方CA4は樹脂シェル本体造形に加えフェイスプレートの造形も異なっていて、一番の違いはステムノズルの角度になり一番起きています。ステムノズルはST1がやや細めでZSN ProとCA4が太めで、これらは同じタイプを使用しているようですね。

そのため耳への装着時にはステムノズルの角度が寝ていてやや細めのST1の装着感が一番良好でした。

また、ST1を始め全てステムノズルが金属でこの3機種ともにメッシュフィルターがあります。まあ先述の通りみぃねこのST1はメッシュフィルターが浮いていましたが。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りST1はステムノズルは比較的細めのため、耳へは付属のイヤーピースで奥の方で栓をするように装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じるので手持ちのイヤピと交換していますが、今回はその必要はありませんでした。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はShanling M0、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り低価格帯はM0を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0ではなくiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属品 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「ボーカル聴きやすく低音も厚みがあり高音も十分に華やかさがある」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
ただし箱出し直後は低音にボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通程度に感じ分離も普通です。 

高音は煌びやかさは十分も伸びは普通で刺さりも感じない。

低音は十分な量感と広がりがある。反面やや緩く感じキレは普通程度。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みはそれ程深さを感じないものの十分な強さがある。

中音は音が中心に集まり曲によって音の重なりをやや感じることがありますが、ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれやや暖かみを感じます。

一言で云えばやや中低音寄りのフラットからややドンシャリ

高音は中低音域に比べて主張は強くないがしっかりと存在感があり十分な煌びやかさがあり尖りがないですが、しっかり描写しています。

中音は凹まずボーカルがクリアで聴きやすく音に厚みがあると云えば聞こえは良いが、音数が多いハードな曲では音に重なりを感じてしまいます。一方バラード等はバランスは悪くないので聴きやすいです。基本的にボーカルが高音低音に埋もれないバランスです。

低音はTrnの低音です。弾むような広がりがある音で、重低音の強さはありますが深さはそれ程感じません。ですが、これが高音中音低音域の全てをバランス良く聴かせてくれて丁度良い印象があります。

これはこれまでにレビューしたTrnのそれとは異なり例えばIM2のドンシャリとは一線を画す音でありKZ ZSNの中低音中心の音とも異なるバランスです。良くまとまった音質傾向ですね。

個人的に欲を言えば低音の質感ですが、こちらは好みがありますので、締まりがあり深さを重視しされる方には物足りなく感じられ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

比較対象としてKZ ZSN Pro、CCA CA4を挙げましたが、これらはそれぞれに良さがある評価が高いイヤホンでした。正直ZSN Proに肩を並べ更に超えることができるのかが個人的な興味でした。しかしST1はその少しばかり斜に構えた興味を超えてくれました。

ST1は強いて云えばZSN Proの完成度の高さを狙うものではなく、音楽を楽しく聴くという本来の目的を実現しているZSN Proとは違うイヤホンと云えます。

それはZSN Proの全方位隙の無い音を目指すのではなく、音楽として楽しく聴くために強い音は強く、弱くても届けたい音をちゃんと聴こえるように。ボーカルも自然で暖かさのある声を届ける。その結果、取捨選択された音は生まれようとも音楽的に楽しさが伝わることを重視した音づくりのように感じました。

 

ただし、CA4のようにボーカルのクールな感じが息遣い感じられて好きという方には評価が分かれるかもしれません。

そのCA4は傾向としてはZSN Proと同様に強ドンシャリ傾向ではありますが、それとの一番の違いがボーカルであり、その分高音や低音の強さは上と感じます。そのためZSNやZSN Pro登場前の低価格1BA+1DDハイブリッドモデルのそれと云え悪くはないのですが、発売が昨年春としては少々古臭さ感じられてしまいますね。

勿論、この強ドンシャリが好きという方にはZSN Proはさておき、ST1は物足りない音に感じてしまうかもしれません。

 

まとめるとST1は高音域は煌びやかさ華やかさが出しゃばらず存在感を示し、低音域は十分な存在感があり、中音域はボーカルが聴きやすいクリアで華やかさも感じられる聴き疲れのない心地よさがリスニング用途の低価格中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドイヤホンと云えそうです。

尤もこのリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域の刺激的な強さや低音の量が多い強ドンシャリを求めるという方にはやはり少しもの足りないと感じ評価が分かれてしまいそうです。

 

高音   CA4 ≧ ZSN Pro ≧ ST1

中音   ZSN Pro ≧ ST1 ≧ CA4

低音   CA4 ≧ ZSN Pro ≧ ST1

ボーカル ST1 ≧ ZSN Pro ≧ CA4

 

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最後に、今回は国内amazonでは2,000円台で購入できる低価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年1月30日)はamazonでは取り扱いセラーが少なく、AliExpressでは1,000円程度で販売しています。そのAliExpressではフォロワー割がなくても1,000円台程度と安値安定していますが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも非常に安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

ST1

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★☆ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (音楽を分析的に聴きたい方★3)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は本当に久しぶりに中華低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。これで通算26個目となります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

KBEAR Diamondレビュー

こんにちは。

早いもので、新年を迎えてからもう3週間が過ぎようとしています。ご挨拶が遅れてしまいましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、新年一発目。今回は中華イヤホンのシングルドライバモデルのレビュー編として中価格帯で発売されたKBEAR Diamondについてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から購入しています。

 

 

AliExpressでもWooeasy Earphone Store(@hulang9078)に取り扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

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KBEAR DiamondはKBEARブランドから発売されているシングルドライバ搭載モデルです。KBEARブランドのイヤホンは以前レビューしたF1やOPALやi4がありますがこれらはそれぞれ1BA、1DD、1BA+1DDとドライバ構成に違いがありました。今回のDiamondはOPAL同様に1基のダイナミックドライバを搭載したモデルとなりますが、このダイナミックドライバはDLCコーティングされたドライバを採用しています。

そもそもDLCとは何?ということですが、調べてみると「ダイヤモンドライクカーボン」をコーティングしたドライバのようです。で?だから何が如何なの?といわれても、まあ、、、その、、、よくわからないですけどダイヤモンドとカーボンというどちらも炭素で硬い素材という浅い知識しかありませんが、これらを使用した振動膜(ドライバ)はなんとなく硬質で反応が良さそうな雰囲気がありますよねぇ。

硬質で反応が良いドライバと云えばグラフェン振動膜のドライバを採用するTFZ社の商品が思いつきますが、それらとの違いも気になります。

兎も角、このDiamondにはこれまで有名国内/海外メーカー製や高価格帯中華イヤホンで採用されていたDLC(Diamondはコーティングです)ドライバが採用されていて、しかも中価格帯U10,000で採用されたという画期的な商品ということはご理解いただけるのではないでしょうか。流石中華イヤホンというところです。

 

※以前の平面磁気駆動ドライバの技術的な説明と同様にどうしても知りたい方はgoogle先生で検索してみてくださいね。だってそれを長々と書いても興味がない方はつまらなくて読む気にならないと思いますし結局音は如何なんだよって方が殆どではないかと思いますので。

 

さて、このDiamondはこれまでのKBEARブランドの商品の中では比較的高値です。現在(2020/01/17)はi3が中華価格帯U20,000、実売16,000前後と旗艦モデルといえ、それよりは比較的安価な販売価格が設定されていますが、国内amazonでも約10,000円と簡単に手が出せる金額とは言いにくいです。やはり10,000円を超える中価格帯ともなれば吟味して購入したいですからね。

TIN HiFi P1のレビューでも書きましたが、みぃねこは所有していてもこの辺りの価格帯の商品は殆どレビューすることはありません。何故にDiamondを購入し記事を書いているのかと云えば、やはり「良い商品は誰かに伝えたい」ですから。何よりもDiamondはKBEARらしい良い音を聴かせてくれています。しかし、新発売されたものの初動は鈍くこの辺りの価格帯の所為かレビューが少なく折角の良い商品なのに販売に繋がっていない印象です。勿論、音質は嗜好による良し悪しが現実であり理想は数値化による可視化な訳ですが、どうしても味覚と一緒で「甘い・辛い・苦い」という主要素は説明しやすく伝えやすいですが「どれくらい」という評価に繋がる客観的要素が個人の主観によるものになりますので。

繰り返しになりますが、元々この備忘録は一般的な国内及び海外有名メーカーではないけど良い音を聴かせてくれる商品が沢山あっても試聴できなくて二の足を踏んでいる方の背中を押してあげることができるように始めています。つまり、このDiamondもぴったりの題材となる訳です。

そして、なによりも国内及び海外有名メーカーに勝るとも劣らない(かもしれない)中華イヤホンの楽しさを伝えていけたら幸いです。まあ、いつも通りの言い訳ですね、はい。なんやかんやでDiamondが気になっていて、やはり自分の耳で確認したくなったというのが一番の理由でございます(笑)。

 

※TIN HiFi P1の過去記事もよろしければご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんな訳でDLCコーティングドライバを搭載したKBEAR Diamondを他のグラフェンドライバを採用する中価格帯モデルとの違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

KBEAR Diamondはオール金属製のシェルが採用されています。商品画像を一見してKZ AS12の様な大柄なシェルを想像しましたが、それより一回り以上もコンパクトな造形で材質はアルミ合金となります。ステムノズルはコンパクトなシェルに対し、太めに見えますが実はやや細め。そのため、多くの方で装着感は比較的良好となりそうです。

 

Diamondのスペックは先述の通り8.5mmのDLCコーティングされたドライバを片側1基搭載し、付属するケーブルも上質なものが採用されています。尤もDLCドライバもコーティングとはいえ比較的高価なことと、金属シェル、上質な付属ケーブルが採用されていることからも必要な部分には惜しみなくコストを掛けた妥協のないKBEARブランドの商品づくりは共感できますね。

特にDLCドライバとTFZ社のグラフェンドライバでは狙う特性が同じと推測できますし、中高音域のキレの良さ、表現力や低音域の質感の良さは、少し聴いただけでもその実力の片鱗に触れることができます。

そして、Diamondは片側に1ドライバのため、多ドラの様な複雑なクロスオーバーもなくシンプルで実績がある方式のため安定した音を奏でることにアドバンテージがあります。それはこれまでレビューしてきた中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンとは異なり1ドライバ故の自然なつながりがある音が期待できるからです。複数のドライバを搭載した場合、各ドライバの担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングという難題があり低価格帯では特にこの辺りを誤魔化した商品も多くありますが派手な音づくりで結構それを感じさせない様な音作りがされていたりします。もちろんDiamondは1ドライバとはいえチューニングは行いますし大事ですが、このチューニングポイント、経験則を活かし易くそれ次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

KBEAR Diamondの納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速KBEAR Diamondの実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは黒を基調とし金色のブランドロゴをワンポイントとしたシンプルな黒箱化粧箱です。


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箱の上蓋を外すと黒地の内装の台座にイヤホンとイヤーピース、イヤホンケースが収納されています。またイヤホンケースが収納された台座を取り外すと小箱になっていて、その中にイヤホンケースが入っています。

 

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ケーブル等の付属品はイヤホンケースの中に収納されています。この辺りはいつもの中低価格帯同様の合理的な化粧箱ですね。


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付属品のイヤーピースはシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各2セットとフォームタイプのM?が白黒2セットの計4セットが付属します。シリコンイヤピは口径と傘の材質が異なりそれぞれ好みの音質に調整が可能です。

※画像でお気づきの方もいるかもしれませんが、シリコン黒イヤピがMが2セットで、Sがありませんでした(泣)

ケーブルは付属するケーブルとして上質なもの付属しており、約10,000円の中価格帯でも比較的高価なクラスとして十分な付属品ですが、個人的にこれだけで完結できる満足感の高いセットと云えますね。


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ビルドクオリティですが、KBEAR Diamondは中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。今回は付属品でポカがありましたが、以前よりも安心して購入できると思います。

カラーバリエーションは緑(銀)色のみです。

 

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付属ケーブルは8芯、OFCの銀メッキ線材を使用した明るい灰色(銀色?)の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側は2ピンコネクタです。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり中価格帯U10Kの商品に付属するケーブルとして十分でそのまま使用できますし、少し落ち着いた色合いのケーブルが本体色との一体感もありますね。

 

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※画像左からMLE、Diamond、KING pro、KZ AS12
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Diamondのコンパクトなシェルを伝えるためにKZ AS12とTFZ KING proとMLE(My Love Edition)を並べてみました。この4機種の中で同じ中価格帯のU10KではMLEとAS12となりますが、今回の直接的な比較対象としてはMLEが適切でしょうか。AS12は片側にBAを6ドライバ搭載する為、やはりシェルが大きく感じます。一方MLEや価格帯は違えどKING proはシングルドライバモデルとしては小さい方ではないシェルと云えそうですね。それらと比べるとやはりDiamondはコンパクトなモデルとなりますね。

またDiamondのシェルデザインは直線的な部分を持ち合わせながらも丸みを帯びた造形で且つコンパクトなシェルが功を奏し耳への装着感はかなり良好です。ただしシェル自体はコンパクトですがステムノズル部はかなり長め。みぃねこは個人的に装着感が良好でしたが、個人差がありそうな印象ですね(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

勿論ステムノズルの先端端面にメッシュフィルターが装備されています。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

先述の通りDiamondはステムノズルが比較的長めながらも、耳へは付属のイヤーピースでしっかりと装着できましたが、音質的に少し低音が抜け気味で軽く感じたため、いくつか試した結果、AZLA Sedna Earfitで浅めに蓋をする感じが、みぃねこは一番しっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますので手持ちのイヤピと交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSONY NW-ZX507、直挿しアンバランス接続です。

これまで中価格帯はFiiO M9を基準としていましたが今回からZX507にてレビューを行います。ZX507のエージングはまだ完了していないので、現時点の音であることをご了承ください。(だって200時間ってさぁ)

もちろんSHANLING M0とFiiO M5やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAZLA Sedna Earfit Mサイズへ。ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音にキレがあり低音も十分。中高音域はクリアで解像感が高く聴きやすい」でした。
こちらも箱出し直後は低音が控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は普通からやや広め。曲によって普通程度。

高音は煌びやかさがあり響きもあるがしつこさはなく刺さりも感じない。

低音は量感は十分で芯があり適度な響きがある。その分締りがありキレは良好。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みの深さを感じ十分な強さがある。

中音は解像感が高く音の強弱をや描写を掴み易く、ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ艶やかさを感じます。

一言で云えばやや中高音寄りのややドンシャリ

もっと云えば、高音はしっかりと存在感を示し、十分な煌びやかさと華やかさがありながら尖りはなく刺さりは感じずにしっかり描写しています。低価格中華1BA+1DDイヤホンの高音よりは控えめに感じますが、しつこさがなく上品というか丁寧という表現が合いそうです。

中音は響きが良く音の描写も良いのに前へ前へと出しゃばらず、ボーカルがクリアで聴きやすく高音低音に埋もれないので、ボーカル曲を好んで聴く方には不満が出ないと思います。

低音は量感は中高音に比べ控えめに感じますが、芯があり適度な響きと締りの良さがあるキレの良い音で、重低音は強さがと深さを感じられる質の高さを感じます。

この適度なバランスが何処かの音域を強調せずに全てを丁寧に聴くことができる心地良さがあります。

反面、高音は適度にまとめられており、どこまでも伸びるような、そして刺激的な強さを求める方には物足りなさがあるかもしれません。

低音はその音に包まれるような広がりや、体に響くような低音とはいきませんので、低音を重視する方には物足りなさがあるかもしれません。

 

そしてMLEとの比較です。MLEも中高音寄りのドンシャリでキレの良さがありますが、低音の量感や表現力はMLEが良好。高音もMLEの方が解像感は高くよりくっきりはっきりと描写しています。Diamondと比較しやや派手に感じます。そして一番の違いは中音でこちらはDiamondが優れていて、一言で云えばMLEには粗さを感じ、音の重なりがあります。特に女性ボーカルでは楽器とボーカルが被りそれが聴きにくさとして感じてしまいます。また少し平面的に聴こえることも影響があるのだと思います。

とはいえMLE単体で聴くのであればやはりTFZの音であり、上手い音づくりだと思いますし、グラフェンドライバのMLEとDLCコーティングドライバのDiamondでは同じ中高音のキレの良さがありチューニングの違いでどこを重視しているのかが分かりますね。

この音作りをどちらが好みか。加えて、先述した音質傾向によって評価が分かれるもののどこかが破綻せずに上手くバランスを整えた良い音を聴かせてくれる、それがKBEAR Diamondなのだと感じます。

なお、DiamondはパワーのあるDAPやポタアン等を使用してみると印象が良い方向に変わると思いますので低音が物足りないと感じた方は是非お試しいただければと付け加えさせていただきます。

 

まとめとして、KBEAR Diamondは中華イヤホンでは珍しい1DDモデルとシンプルな構成でありながらDLCドライバを搭載し価格を抑えた挑戦的なモデルで、同社のハズレの無い音づくりからも十分満足できるモデルと云える仕上がりです。

ですが、スマホ直挿しでは本来の性能を発揮できず、ポタアンを介し出力を確保した上で聴く場合に新たな世界を感じることができると感じましたし、出力の高いDAPを使用しても同様に非常にバランスの良い印象を持たれると思います。

 

最後に、以前のレビューでも何度か触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

  

高音   MLE ≧ Diamond

中音   Diamond > MLE

低音   Diamond ≧ MLE

ボーカル Diamond > MLE

音場   Diamond ≧ MLE

 

最後に、今回は国内amazonのセールなどで実売10,000円以下で購入できる中価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年1月17日)もamazonで取り扱いがありますし、AliExpressではフォロワー割で8,000円台前半とお求め易い価格ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンのDLCモデルの中では安価な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものを購入したいと考えていて気になった方は安心確実なamazon。新商品を少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Diamond
以下、付属ケーブル、イヤピAZLA Sedna Earfit M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

 

あとがきとして、今回はDLCシングルドライバ搭載の中価格中華イヤホンの商品レビューをしてみました。それと同時に再生環境も更新しています。再生環境更新はこれまでの基準との相関を必要としますが、そのあたりは別途記事にしたいと思います。

そして、日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

KBEAR Knightレビュー

こんにちは。

今回は先日発売されたKBEAR Knightについてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのHiFiHear(@Qianqian_HRcase)から購入しています。

 

 

AliExpressでも有名どころのセラーで取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

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KBEAR Knightは先日のAliExpressセールの際に福袋として発売されていてみぃねこはインナーイヤー型が苦手ということもありスルーしていましたが、購入された方の評判が良さそうで、先日amazonでも取り扱いが始まりクーポンがありましたのでお得に購入することができました。

普段はカナル型ばかり使用しておりインナーイヤー型はiPhone4の付属品以降久しぶりに購入したのがスプラトゥーン2に使用していたNICEHCK ME80です。ME80は以前レビューしており、そのME80もFinal E500にその座を奪われています。気軽に使うには少し大きくて重く、個人的にシュア掛けにしないと本来の音質を得られなかったので使うのが面倒になってしまったというのがその理由です。

 

※気になる方は以前のレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

それなのにまた今回インナーイヤー型を購入したのは、実はラジオをBGM代わりに流しっぱなしにするほどのヘビーリスナーで、スピーカーでは流石に夜中はお隣にご迷惑が掛かりますし、安価で気軽に使えて軽いものを探していました。中華セラー有名どころ各社の10ドル以下のインナーイヤーも検討しましたが見た目がプラスチッキーで食指が伸びず今回のKBEAR Knightが見た目も良かったというのが理由ですね。

Knightですが以前のME80同様に低価格帯の中でもU2,000円でありながら聴いてみて音のバランスの良さに驚きますね。インナーイヤー型の音の良さに。

インナーイヤー型はカナル型と異なり密閉させるわけではありませんので、どうしても遮音性が低くなります。そのためどうしても低音が弱く相対的に高音が目立ってしまいシャリつきを感じてしまいますが、それは安価なモデルだけなのかもしれません。

実際Moondrop社の旗艦モデル等はそれはもう素晴らしいという評判です。勿論お値段も立派なので、とても購入できません(笑)。

ところがこのKnightではME80同様に低音はしっかりしているし、中高音は嫌なシャリつきもなくクリアで国産低価格帯の3~5,000円前後のカナル型といい勝負というのが個人的な印象です。まあ、個人的にME80ではシュア掛けが必須でしたし、このKnightでは付属のイヤーパッドが必須なのはやはり低価格帯の宿命でしょうか。

 

Knightのスペックはシンプルな1DDモデルで、搭載するダイナミックドライバは大口径の15.4mmとなります。ドライバのメーカー等型番も不明ですが肝心なのは音質ですので、今回も通常通り細かい話は抜きで進めますが、これだけ大きなドライバを搭載するとイヤホン本体も大きくなりそうですが、非常に小さくコンパクトで且つ個人的に格好良くデザインされていますね。

そして1DDということですべての音域を担当していますので多ドラハイブリッドや複数BA搭載機のような各音域のクロスオーバーを心配することなく、自然な音を聴かせてくれそうです。ですが、実際はシンプルが故のチューニング技術の難しさがあり、見せどころとなりますね。このチューニング次第でKnightが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます、、、が、先述の通りハズレではありませんね。

 

KBEAR Knightの納期としては流石の翌日配達でした。まあAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すれば流石日本の物流をリードするamazon Japon様というところでしょうか。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速KBEAR Knightのレビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはKBEARブランドのオリジナルデザインの黒箱で派手な装飾のないシンプルなタイプの化粧箱です。
表にはイヤホンがプリントされ、裏にはスペック等が記載されています。

 

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スリーブをずらすと黒の内装にイヤホンが収納されており、付属品等が収納された白い小箱が収められています。

 

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付属品はイヤーパッドが4色(種?)付属し、他にはケーブルバンド、ケーブルストッパです。低価格帯U3,000円、もっと云えば2,000円以下としては十分な付属品となります。

 

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ビルドクオリティですが、Knightは中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。カラーバリエーションは黒色のみですね。

 

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ケーブルは流石に交換不可となりますが、銀色(白?)のツイストされた線材を透明チューブで保護されたタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプです。個人的にケーブルバンドも付属しているのがちょっと嬉しいですね。このケーブルは使用感は悪くなく耳からストレートに垂らしたり、シュア掛けしたりと自由度が高く、全体的に絡まりにくくしなやかなものとなりますが低価格帯のケーブルとして十分な機能と品質を備えていますし、普段使いでも困ることはないと思います。


シェル本体は15.4mm大口径のダイナミックドライバを搭載していることを感じさせない一般的なインナーイヤー型形状ですが、装着感は悪くありません。イヤーパッド無しでストレートで使用した場合に低音が抜け気味でその分高音がシャリつく印象がありましたので試しにシュア掛けしてみたらME80同様にバランスは良くなりましたが、気軽さに欠けてしまうため、付属品のイヤーパッドを付けストレートで装着したところこれがみぃねこには正解で音質的にしっくりきました。ME80ではあまり印象が良くなかったのですが、シェルのデザインにもよるのかもしれません。個人的にイヤーパッドありで使用する事をお勧めします。(この辺りは個人差があると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はSHANLING M0、直挿しです。

これまで通り低価格帯はM0を基準としてレビューを行います。もちろんiPhone6sでも十分に鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤーパッド有り、シュア掛けではなくストレートで使用しています。

箱出しイヤーパッド無しで聴いてみた第一印象は「開放感が高く中高音が支配的」でした。そのため、先述の通りイヤーパッドを装着し試してみたところシュア掛けせずに好印象になりました。
箱出し直後は低音域が弱く、高音域が強く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い高音の尖りが丸くなり低音やや量感と締まりが増しなりバランスが良くなったと感じました。

鳴らし込み後の音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通ですが、曲によって高音域と中音域の間の中高音域の音にやや重なりというか分離の悪さを感じます。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で自然に感じクリアに聴かせてくれます。
低音域はインナーイヤー型として量感は十分で締まりを感じベースラインも強くありませんが追えます。
高音域は煌びやかさがあり低音に埋もれることはありません。

中音域は凹まずに華やかさを感じられボーカルが高音低音に埋もれることがないバランスです。ボーカルに不自然さは無く聴いていて心地よさがあります。

一言で云えば中高音寄りの弱ドンシャリで全体的にすっきりとした音質傾向ですが中高音域の華やかさからやや派手な印象を持たれる方もいるかもしれません。

正直ME80とほぼ同じ印象です。強いて違いを云えばあちらは低音も十分でKnightは中高音を中心に低音がそれを支える、インナーイヤー型の明るく華やかさがある音を活かし良いところにポイントを絞った音づくりでバランスの良さを感じますが、流石に低音域の強さはそれほどでもありませんのでご注意ください。

尤もカナル型が苦手な方に一度試して貰いたいインナーイヤー型モデルと云え、このKBEAR Knightはインナーイヤー型の低価格の定番モデルになりそうな、そんな完成度の高さを感じられるモデルと云えそうです。

個人的には深夜ラジオを聴くのにこれほど手軽で気軽にながら聴きができるのは最高ですね。

 

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最後に、今回は2,000円以下で購入できる低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年12月20日)はamazonで350円OFFクーポンがあり1,000円台後半で。AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますのでインナーイヤー型の低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Knight

以下、イヤーパッドあり、ストレートDAP M0
高音★★★ 
中音★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (手軽さ★5)

※☆0.51.0

 

ME80

以下、イヤーパッドなし、シュア掛けDAP M0
高音★★★ 
中音★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (スプラ2バイト用に★5)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回はインナーイヤー型の低価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンは今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Trn T200レビュー ※加筆修正Ver

こんにちは。

今回は中華ワイヤレスイヤホンレビューとして、先日発売されたTrn T200についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのNex Audio(@NexAudio)から購入しています。

 

  

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Trn T200は以前レビューしたNEX Q70やTWS X19と同様のイヤホン本体とプレイヤーを無線電波によってケーブルを介さずにワイヤレスで接続し、更にイヤホンの左右がケーブルで繋がれていない左右完全独立タイプのワイヤレスイヤホンとなります。

低~中価格帯の左右独立タイプの完全ワイヤレスイヤホンの殆どが1DDモデルが多く、国内メーカーが多ドラハイブリッドモデルを発売しておりますが価格がン万円と高価です。低~中価格では以前レビューしたKZ E10が4BA+1DDと群を抜くインパクトがありますが、初期不良に当たった方もいたようでイマイチ盛り上がりに欠けていますが、ここにKZ対抗と云えばあのTrn社が参入しスペック的には1BA+1DDとE10ほどのインパクトはありませんが、十分気になる商品として登場しています。

実はこのTrn T200は残念なことに最初別のセラーから購入していたのですが、右側から音が出ない不良品に当たり返品しています。ですが、(あたりまえですが)正常品を使用されている方の評判は悪くなく、やはり使ってみたいという気持ちを抑えきれず、2度目のトライとなりました(笑)。

 

完全ワイヤレスタイプのイヤホンは今年に入り安価でありながら実用性能が十分なモデルが多く発売されていて前回レビューしたQ70やX19がその一例と云え、みぃねこはQ70を愛用しております。

Q70はシンプルな1DDを搭載するモデルでしたが、冒頭触れた通りT200は1BA+1DDのハイブリッドモデルです。以前レビューしたKZ E10は4BA+1DDと多ドラハイブリッドでしたが、みぃねこの手持ち含めどうも試作品を販売しているよね?と疑いたくなるほどの不安定な一面があり「昔のKZが戻ってきた」というネタ枠に成り下がっています。

そんな中、一度は外れを引いたものの貴方はやればできる子だと思っていましたよ、Trn。最近はV90やBA5でKZに追い付け追い越せと評価が高く、中華らしい1BA-1DDハイブリッドに抑えたそのモデルの実力は如何に!?

 

※気になる方は以前の記事も併せてご参考ください

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さて、前回レビューしたNex Q70は高性能チップQCC3020を搭載しapt-Xにも対応しています。Trn T200も同チップを採用しておりSBC、AAC、apt-Xという主要な無線コーデックに対応していることになります。

なによりも、先述の通り低価格帯の中華有線モデル同様に1BA+1DD多ドラハイブリッドモデルと完全ワイヤレス市場も中華の波が押し寄せてくる、そんな未来も遠くなさそうですね。

 

Trn T200の納期は流石の国内amazon、当日配送、翌日配達です。安心確実ですね。一方AliExpressでも販売されておりますが、バッテリー搭載機のため配送無料便を選択した場合には船便のスタンダードシッピング扱いとなりシンガポール経由ですのでじ数週間掛かってしまいます。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
それではTrn T200のスペックを詳しく見ていきます。

 

■主要スペック(amazon商品ページ抜粋)

  • ダイナミックドライバ 1基
  • バランスドアーマチュア 1基
  • Bluetoothバージョン 5.0
  • プロファイル HSP/HFP/A2DP/AVRCP
  • 通信距離 約10m
  • QCC3020チップ搭載
  • コーデック apt-X、AAC、SBC
  • 防水性能 IPX5
  • イヤホン本体電池容量 50mAh
  • ケース電池容量 600mAh
  • 音楽再生 約6.5-7時間
  • 待機時間 約180時間
  • イヤホン充電時間 約1.5時間
  • ケース充電時間 約1.5時間
  • ケース充電 5V1A
  • イヤホン重量 片側約5.3g
  • ケース重量 約36.9g
  • ケースサイズ 約72x33x30mm

 

Trn T200は5,000円以上10,000円未満の中価格完全ワイヤレス中華イヤホンでは先述の通り1BA+1DDハイブリッドドライバ構成です。同価格帯の無線イヤホンからは頭一つ抜けたドライバ構成ですが、この価格帯ではまだまだ珍しい価値のある機種と云えます。

Bluetoothはバージョン5.0を採用し前回レビューしたQ70同様に通信安定性の向上や省電力化によりリビングにiPhoneを置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることなく、屋外での使用でもiPhoneとの接続では駅構内等でも殆ど途切れることがありませんでしたので、一般的な使用では気にならないレベルと云えそうです。

 

また、連続使用は公称最大7時間とありましたが実使用で5~6時間程度の連続使用にとどまり公称よりはやや短め。これは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。

そして、iPhoneとの無線接続の際にはAACで接続することができSBC接続時より高音質で音楽を聴くことができました。次に他のDAPでも試してみました。Shanling M0やFiiO M9ではaptX接続を使用できますが、経験上少々難がある認識でしたが、やはり先述の条件では屋内は途切れは問題ないのものの、屋外では結構途切れることがありました。そのため個人的にはAACで接続できるiPhoneとの親和性は高いと感じています。

 

使用時間や充電時間ですが実際に使ってみた印象として充電時間はほぼスペック通りと感じましたが、私の環境では音楽再生は少し短く5~6時間程度といったところでした。とは言え、家で映画を観たり通勤往復でも十分ですし、会社についたらケースに入れれば自動的に充電されますので実用上問題ないです。実際のところメーカー公称時間とユーザーの実行時間としてこれは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として問題なく満足できると云えます。

イヤホンの充電はケースに入れると始まります。T200はQ70と比べバッテリー容量がほぼ同じ。こちらは使用した時間=電池残量にもよりますが数分から数十分程度で完了しますが、バッテリーローからは1時間以上かかりました。

ケースの充電は残量によりますが1時間から2時間弱程度で完了します。ケースのバッテリー容量も一般的なため他社製品とほぼ同じ充電時間ですね。一度フル充電しておけばイヤホン本体をバッテリローから理屈では4,5回程充電できることになります。残念なのはケースの充電残量が分からないことですが、まあ数日に一度充電を心がければ問題ないですね。充電ポートはmicroUSBが採用され一般的なUSBタイプの5V1A仕様が適合していますので、携帯用のUSB充電器やPCのUSB等からも充電可能です。

 

イヤホン本体はカスタムIEM風デザインで有線イヤホンと比べても装着感は良好です。他の完全ワイヤレスイヤホンと比べシェルが大きく見えますが、実際装着すると全く気にならないレベルです。T200はQ70同様にX19の様な耳の中に収めるというよりは耳にイヤピで固定するタイプのため耳の小さな女性やお子様にもイヤーピースを合わせられれば使用することができそうです。

最もポイントが高いのがイヤピの自由度が高いこと。

他の中華完全ワイヤレスイヤホンでは付属のイヤピしか事実上使えないことが多く、Spinfit CP360やSedona Eerfit Short及びLight Shortが使えればラッキーでしたが、Final Eやスパイラルドット、AET07等も使えます※。

※注:Mサイズ以下

 

■初回ペアリング方法(iPhone iOS13.2.3で検証済)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • ケース蓋を開け、(充電済みの)左右のイヤホンを取り出すと、左右イヤホンのLEDが青点滅する。(右イヤホンがホスト)
  • iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「TRN T200 R」が表示されるのでそれを選択する。
  • 次に「TRN T200 L」のペアリングを求められるのでそれを選択する。
  • iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。

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これだけです。

注意点としては、

初めにiPhoneBluetoothを有効にしてください。

最初に右イヤホンをケースから取り出してください(右親機)。

この2つが重要です。

上手くいかない場合、一度iPhoneからT200の接続の登録を削除して再度初めから実施してみてください。ペアリングが完了している場合、2回目以降は自動的に接続します。上手く接続しない場合はiPhoneBluetooth設定画面から「TRN T200 R」を選択してください。それでもダメなときはイヤホン側をリセットしてください。リセット方法はイヤホンをケースに入れて充電状態のときにイヤホンを3回タップするとイヤホン青LEDが4回点滅した後に消えてリセット完了です。

 

■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)※2019/12/15追記

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • ケースから取り出すとペアリング開始。
  • iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでればペアリング完了。
  • iPhone標準のミュージックアプリで聴きたい曲を選択し再生する。
  • イヤホン左/右本体を2回タップすると再生/停止する。
  • 再生停止中に左本体を3タップすると次の曲に進む。
  • 再生停止中に右本体を3タップすると前の曲に戻る。
  • 再生中に左本体を3回タップすると次の曲が再生する。
  • 再生中に右本体を3回タップすると再生中の曲の頭に戻る。これを繰り返すと前の曲に戻る。
  • 再生中に右本体を1回長押しタップしポンと鳴った後も引き続きタップし続けると更にポンと鳴ると同時に音量が1上がる。
  • 再生中に左本体を1回長押しタップしポンと鳴った後も引き続きタップし続けると更にポンと鳴ると同時に音量が1下がる。
  • 再生中/停止中に本体を1回長押し2秒タップするとSriを呼び出し。
  • 聴き終わったらイヤホンをケースに戻す。
  • ペアリングが解除される。
  • ケースのバッテリー残量がある場合イヤホン充電開始。
 

音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。着信時の通話機能は未検証です。

少し惜しいのはQ70同様に音量調整がイヤホン本体からできないことですね。X19ではこれが可能でしたので残念です。

※2019/12/15 コメントいただきイヤホン本体で音量調整が可能であることを確認しました。

またX19では物理スイッチでしたが、T200もQ70同様によくあるタッチ式で操作感は良好です。これはQ70では少し慣れが必要でしたが、ポイントが高いですね。スマホの様にタッチするところを見ながら操作できる場合は良いのですが見えない場所をタップする操作方法では誤動作が心配ですが、幸いリダイヤル機能は無いようですね。特にリダイヤル機能があるモデルは本当にこれが心配ですから。

 

操作の反応は僅かにラグがありますので一呼吸置くくらいでOKです。これも他のモデルと同じレベルですので最初は戸惑うかもしれませんが慣れれば問題ないですね。

特筆すべきはやはりケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入りペアリングが完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れてペアリング解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻すで完了する手軽さですね。ネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要ですからね。

 

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なおDAPとのapt-X接続検証としてFiiO M9で確認し、問題なく接続できました。

 

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イヤホン充電ステータスは各イヤホンのLEDが赤く点灯及び、ケースのmicroUSBポート側のLEDが青く点灯しイヤホン充電完了後は消灯します。

 

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ケース充電中はUSBポート付近のLEDの赤点滅が充電中。赤点灯で完了です。

 

 

それでは、早速Trn T200の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白箱を基調としたシンプルなタイプです。
箱の表にはT200の文字が。裏にはスペックが記載されています。過剰な装飾のないシンプルな化粧箱ですね。

 

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付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットでMサイズが本体取付け済みで、他にはmicroUSB-タイプA充電ケーブルです。流石に必要最低限の付属品ですね。

取扱説明書には日本語もありますし図解もあるのでamazon当該ページの使用方法の説明と合わせて余程のことがない限り困ることはないと思います。もちろん万が一の際はセラーのサポートがありますので問題ないと思います。

 

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ビルドクオリティですが、このT200は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前購入したネックバンドタイプの商品では残念ながら不良品に当たりましたがその場合はセラーのサポートで対応可能であり、過度な心配は不要ですね。カラーバリエーションは黒色のみで、黒は屋外使用を考えると落ち着いた色となりますので、どのような服にでも合わせやすいですね。

 

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付属の充電用ケーブルは短めなので充電のみで使用する場合、手持ちのmicroUSB-タイプAケーブルを使用した方が便利かもしれません。尤も使用されるシーンで付属の短いケーブルを使用される等使い分けもできますしね。


Q70と同様にシェル本体は樹脂製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状も丸みを帯びており耳にへの装着感は一般的なネックバンドタイプよりも良好で装着感は悪くありません。

 

※イヤーピースはFinal EタイプMサイズ装着

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次に耳への装着は付属品イヤーピースMサイズでは音質的に抜けてくる感じがありましたのFinal EタイプMサイズを使用し奥の方に入れるようにするとみぃねこはしっくりきましたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

この音が抜けてくる感覚は付属イヤピをLサイズにしてみたりしましたがどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じました。

 

加えて、先述の通り低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの難点に付属のイヤピが特殊サイズでアフターマーケットのイヤピで音質やフィット感が良くなっても肝心のケースに入らないことがあり使用を諦めてしまう方がいるようです。

このT200はケースのイヤピの逃げが大きく各社のTWS用イヤピやこのFinal E等を試してみてください。好みのイヤピが使えるというのは本当に嬉しいですよね。

 

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はiPhone8、Bluetooth コーデックAAC接続です。

実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはFinal EタイプMサイズを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音域がクリアでボーカルが聴きやすいが低音が控えめ」でした。

そのため少し鳴らし込みとして通勤等、日常的に1週間ほど使いこんでみたところ低音も量感が増してきました。

音場は普通で音の分離感は普通です。
低音は量感は控えめで締りとキレは普通程度。ベースラインは控えめですが追えます。重低音の沈み込みは感じませんが、中高音の分離感もハイブリッドらしさを感じ聴いていて心地よさがありますね。
高音は煌びやかさは控えめですが中低音に埋もれることもなく必要十分。

中音はクリアで高音や低音よりも聴きやすいチューニングのようですね。

ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなくクリアに聴こえます。

一言で云えばやや中高音寄りの聴き疲れのないかまぼこです。

加えて、低音は控えめながらも十分に中高音を下支えしていて寧ろワイヤレスイヤホンとしての全体のバランスでは丁度良い感じですが、Q70と比べると物足りなさがあります。

高音はすっきりクリアで刺さりを感じるような尖りはないものの十分煌びやかさはあり聴きやすく上手くまとめている印象です。

中音は凹みを感じず寧ろボーカルは自然な位置からクリアで聴きやすい中音域がメインの音づくりと云えます。

低音はSpinfit CP360も試しましたが中高音域はよりクリアに感じましたが、低音が軽くFinal Eタイプがベストバランスと感じました。この辺りは何を求められるかによって変わると思いますので、イヤピ選びでお楽しみくださいね。

傾向として中音=高音>低音の関係で中音域はとても聴きやすく、そしてボーカルを心地よく聴くことができるバランスです。

5,000円以上10,000円未満の中価格ワイヤレスイヤホンとして使い勝手は良く、普段使いにぴったりの商品と云えそうですね。

音質的には無線接続ではその性質上高音域や低音域の超高音や重低音がカットされてしまいますし、上を見れば10,000円を超えるモデルで音質が良いのは当たり前。でも先述した性質上の問題は変わりません。

つまり、接続するコーデックと味付けの問題とした場合、必要十分と感じられるのであれば安価に越したことはありませんよね。

もちろんDAPやイヤホンでaptX HDやLDACで接続できる数万円の高価格モデルであれば音質的に先述の性質もクリアできベストな選択ですが、高価ですのでなかなか手が出にくいですし、そもそも同じ土俵で比べてはいけないですよね。

まとめとして、このTrn T200は中価格帯の完全ワイヤレスモデルの中で1BA+1DDというセールスポイントを持ちますが、低音が弱いのはちょっと、、という方にはお勧めしにくいです。でも、普段使いの完全ワイヤレスイヤホンを探していて、その操作感を含め使い勝手の良いイヤホンをお探しの方にはぜひ試してほしいモデルと云え、Trn T200は最新の中価格帯の中華完全ワイヤレスイヤホンの中でもお勧めできる商品と云えますね。


最後に、今回は5,000円以上10,000円未満で買える中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2019年12月13日)amazonで取り扱いがあり5,000円半ば程度で購入できるようです。AliExpressでも3,000円半ば流石に安価ですが、その入手性にも少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

T200

以下、イヤピFinal EタイプMサイズ使用、DAP iPhone8
高音★★★ 
中音★★★  
低音★★☆ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (使い勝手の良さ)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの新商品をレビューをしてみました。完全ワイヤレスの中華イヤホンは4つ目となります。最新技術を低価格で投入し日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019/12/15 操作方法に音量調整を追加。その旨関連記述を加筆修正。